2016年12月26日
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なぜ自由診療は高いのか?

なぜ自由診療は高いのか?

セラミックやインプラントなど、歯科での自由診療の値段に思わず「高っ!」と驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか?保険診療に比べ、なぜ自由診療は格段に高くなってしまうのでしょうか。その理由をご紹介します。

なぜ自由診療は格段に高いか?

自由診療は、健康保険が使えないから高い…という事情はわかるものの、それにしても高すぎない?と思っている方もいるかもしれません。

たしかに、インプラントなら30万~、セラミックも10万前後と、かなりの高額です。けれどそれは、そもそも「高い水準のものが自由診療になっているから」という理由です。

保険診療の入れ歯とインプラントでは、使う素材そのものの値段がまったく違います。それに、インプラントは手術が必要なので、治療にかかる設備や医師の労力も、保険診療の入れ歯とは比べ物になりません。セラミックも、元々の値段が高額な素材です。

そのような事情から、自由診療は格段に高いものが多くなるのです。

自由診療とは?

そもそも、自由診療とはどういうシステムでしょうか。

自由診療に対し、健康保険が適応されるものは保険診療と呼ばれます。この保険診療では、厚生労働省が定めた内容の治療しか行えず、使える素材や方法にも制限があります。そのため、たとえ「この人にはあの治療法や素材の方が向いているな」と医師が感じても、患者さんが保険診療を希望する限り、勝手に他の方法を行うわけにはいきません。

保険診療は加入する健康保険組合が大部分の費用を負担してくれるため、患者さん本人が支払うお金はかなり安くてすみます。

しかし、お金はかかってもいいから、もっと優れた治療ができるならぜひやってほしい!と望む方もいます。そういう方のために自由診療のシステムを設け、患者さんの受けられる治療の幅を広げているわけです。

自由診療の「自由」は、患者さんにとっては治療法選択の自由、医師にとっては、保険診療の枠にとらわれず、自分の理念に沿った治療が行える自由ということになります。

歯科での自由診療

歯科の場合、最低限の機能や外観の修復を目的とした治療以外は、基本自由診療になります。

高額な自由診療の代表と言えば、人工歯を直接骨に埋め込むインプラント、むし歯をより自然で美しい外観に修復するセラミック、美容目的や高い機能性を求める矯正治療や、ホワイトニングなどがあります。

これらに保険が適応されないのは、「必要最低限以上を求める治療」だからです。

例えばインプラントなら、入れ歯やブリッジでも修復はできます。むし歯も、銀歯で十分咬めるようになります。

歯並びが悪かったり歯が黄ばんでいたりしたとしても、日常生活は普通におくることができます。

健康保険の目的は、「日常生活が行える水準の治療を受けてもらうこと」なので、それ以上に高い水準の治療とみなされるものは、自由診療で行うしか方法がないということになります。