2016年12月26日
矯正歯科

噛み合わせを考えた歯列矯正

噛み合わせを考えた歯列矯正

歯列矯正は、見た目だけが整えばいいというわけではなく、嚙み合わせを考えて行うことが重要です。嚙み合わせと歯列矯正の関係をご紹介します。

歯列矯正がすすめられる噛み合わせ

歯科医院で矯正をすすめられる噛み合わせはいくつかあります。

・過蓋咬合(かがいこうごう)

上の前歯が深くかぶさり、下の前歯がほとんど見えていない状態です。前歯以外の歯やあごの関節にも強い負担がかかる場合があります。

歯列だけでなく、上あご自体が前に出ている上顎前突(じょうがくぜんとつ)が原因のケースもあります。

・反対咬合(はんたいこうごう)

下の前歯が上の前歯より前に出て噛み合っている状態です、受け口とも言います。下あごが前に出ている下顎前突(かがくぜんとつ)が原因の場合もあります。

・交叉咬合(こうさこうごう)

上の歯と下の歯が同じ位置で噛み合わず、左右どちらかにズレている状態です。本来噛み合う組み合わせではない歯同士が接するので、その部分がすり減ったり、放置するとズレがひどくなったりすることがあります。

・開咬(かいこう)

上の前歯と下の前歯が重ならず、空間ができている状態です。奥歯も上手く嚙み合っていない場合が多く、物を食べづらくなります。

・叢生(そうせい)

歯列のラインが滑らかにならず、歯が重なったり奥まったりしてデコボコした状態です。奥歯さえちゃんと嚙み合っていれば食べるには支障ありませんが、デコボコした部分はお手入れがしづらく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

噛み合わせを考えた矯正方法

ただ単に歯並びを綺麗に見せるというだけなら、歯に被せ物をして整える方法もありますが、健康な歯を削ることになり、噛み合わせの根本的な改善にはなりません。噛むことは私たちが死ぬまで毎日続ける大切な行為なので、歯列矯正は、見た目だけでなく噛み合わせも重要な要素です。

そのためには、ワイヤーの力を利用した矯正装置やマウスピースを使い、じわじわと歯を動かしていく方法が向いています。

さらに、事前には詳しい検査が必要になります。状態によっては、抜歯やあごの外科手術が検討されるケースもあります。

できれば歯は抜かずに矯正したい!という人がほとんどだと思いますが、あごの大きさと歯列の状態によっては、抜歯をしないと上手く噛み合わないような結果になったり、歯列が大きくなりすぎることがあるので、やむを得ない場合もあるようです。

しかし、矯正の技術や考え方には、歯科医によって大きな開きがあります。全体の骨格、噛み合わせ、美しい外観のバランスを考えた歯列矯正を行うためには、矯正や噛み合わせについての専門的な知識と経験がいります。

歯列矯正をする際は、矯正を専門とした医院やそれを得意とした歯科医師に相談し、納得のいかない場合は、複数の歯科医の意見を聞いてみるのもおすすめです。