2016年12月26日
審美歯科

歯石をとらないとどうなるか?

歯石とは

歯の表面に生成する石。細菌と代謝物のかたまり(歯垢)がミネラル成分と結びつくと歯石になります。歯垢は白くてネバネバとした物質で、約48時間口の中に残ると歯石になることがあり、特に唾液の流れの悪い場所にたまりやすいです。歯石そのものが歯に悪影響を及ぼすわけではありませんが、細菌の住処になるため歯周病の原因となります。また非常に堅いためブラッシングで取り除くのは不可能。無理に取り除こうとすると、歯の表面を傷つけ虫歯の原因となります。

歯石を取り除かなければならない理由

もっとも大きな理由は前述したように歯周病の原因になるためです。特に黒くなっている歯石は歯周ポケットの血液が混じっている状態のため、歯周病を悪化させる危険性が高く、白い歯石と比べると除去が難しくなります。また歯石が細菌の住処になると口臭がきつくなる場合もあります。

歯周病は、放置すると歯を失う原因になりますし、糖尿病や心臓病など身体に深刻な影響を及ぼす合併症を引き起こす可能性まであるのです。決して甘くみてはいけない病気といえるでしょう。

歯石を取り除く方法

歯石はブラッシングで取り除くのは不可能で、また市販されているキットもありますが、扱いを間違えると歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があるため、医院で除去するのが無難でしょう。

歯石を医院で除去する際にかかる費用は、保険が適用されて一度につき3000円程度。それほど量が多くなければ一度の通院で済みますが、何十年も放置していた場合は、5~6回程度通う必要があり、その分費用もかかってしまいます。保険外診療であれば2時間程度ですべての歯石の除去が可能。しかし費用が非常に高額で、場合によっては30万円以上かかる場合があるのであまりお勧めできません。

すべての歯石を除去できたら、3ヶ月に一度の検診が理想。歯石がたまっていたとしても一度ですべての除去が可能なはずです。

歯石を取り除いた後

歯石を取り除くと、冷たいもの口に入れた際しみやすくなる場合があります。歯周病により歯が溶けた部分に詰まった歯石を取り除いたことで、歯の根元が露出したためです。

歯を丁寧に磨き表面を堅くするか、フッ素塗布や知覚過敏用の歯磨き粉を使用することで、症状の改善の期待ができます。また歯がぐらつくことがありますが、これは2週間程度で治まるはずです。

もしこれらの症状がいつまでも治まらないようなら、一度担当医に相談してみましょう。