2017年01月09日
歯周病矯正歯科

CT撮影がなぜ必要か

CT撮影がなぜ必要か

歯医者さんでの検査と言えばレントゲン撮影が中心ですが、最近はCT撮影を導入しているところも増えています。

CTはレントゲンと何が違い、どのようなときに必要な検査なのでしょうか。

CTの利点とレントゲンとの違い

CTもレントゲンも、X線という放射線の性質を利用し体内の状態を撮影する方法ですが、レントゲンが1面からの平面図しか写しだせないのに対し、CTは体を輪切りにした上方向からの断面図を画像化することができます。

そのためCTは、歯や顎骨を上方向から見て全体像をつかんだり、レントゲンでは写しだせない奥に隠れたできものや埋伏歯の存在などを見つけたりすることが可能で、より詳しい診断をつける大きな助けとなります。

また、レントゲンは奥の組織が重なって写るような状態になるので、そこから実際の状況を判断するのが難しい場合があり、読み取り技術には個人差もあります。

その面でCTは、断面図で各組織が重ならない状態の形を見ることができ、的確な判断がしやすくなっています。

歯科でCT撮影が必要な場合

歯や骨は、レントゲンでもはっきりとした形に写りやすいので、ごく普通のむし歯や歯周病の検査では、CT撮影までを必要としない場合も多くなっています。

もちろん、両方とも撮影することでより的確な判断をしたり、隠れた異常が発見できたりする可能性はありますので、必要に応じて撮影することをおすすめします。

立体的な視点での検査が治療の正確さを大きく左右するものでは、よりよい治療のためにCTでの検査が重要なポイントとなります。

CTが使用される主な治療としては、歯と顎の位置や骨内部の状態を十分に検査する必要のあるインプラント治療、口腔外科治療、大がかりな矯正治療などがあります。また、歯周病や根管治療にも必要になる事が多いです。

また、レントゲンで写った影が何なのかの判断がつかないケース、断面図にしないと全体の状態が見えずに誤診の恐れや患者さんにとって不利益となる可能性がある場合なども、CTによってさらなる検査が必要となることがあります。

歯科用CTの特徴

歯医者さんで行うCT撮影は、主に歯科用コーンビームCTという歯科専用機が用いられます。一般用CTに比べ、歯や顎骨が鮮明に写しやすいような構造になっていて、小さな範囲に使いやすいのが特徴です。

また、CTはレントゲンより使用する放射線量が多いとされていますが、歯科用コーンビームCTは、狭い範囲でならパノラマレントゲンと同じ程度の低い放射線量に抑えることができます。撮影する範囲やCT機の機種によってもその量は変化しますが、より低い量で済むような努力が行われています。

かつては大学病院などの大きな施設にしか無かったCT機も、現在は一般医院に普及しつつあり、とくにインプラント治療においては優れた検査方法となっています。