2017年03月27日
矯正歯科

歯周病があっても矯正できるか?

歯周病があっても矯正できるか?

歯周病と矯正治療

歯周病は、歯垢の中に繁殖した細菌によって、歯肉が炎症を起こしてしまう病気です。重度になると、歯を支えている骨が溶かされ、やがては歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病の恐ろしいところは、症状がかなり進行するまでなかなか気づかないこと。そのため、歯並びの矯正をしたいと歯科医院を訪れて、初めて発覚することも決して珍しくはありません。

矯正治療は、外部から歯に力をかけることで、歯の位置を動かす治療です。もし、歯周病で歯を支える骨が弱っている時に矯正治療を行うと、歯周病をより進行させてしまうことがあります。

では、歯周病にかかっていると、矯正治療はできないのでしょうか。

まず歯周病の改善を

結論から言うと、歯周病の症状によってできるケースとできないケースがあります。

歯周病にかかっても、歯茎が炎症を起こしている初期の段階であれば、元通りに治すことができます。しかし、骨が溶け始めてしまうと、溶けた骨は二度と元には戻りません。ですから完治ではなく、いかに進行を止めて現在の状態を保つかが重要になってきます。

歯周病の初期であれば、短期間で歯周病を治して矯正治療に入ることができます。中期以降の歯周病の場合、まず歯周病の治療を行ってから、矯正治療の可否を判断します。いずれにせよ、矯正治療の前に歯周病を治療する必要があることに変わりはありません。

また、矯正治療中は器具を装着しているため、お口の中のケアが行き届かなくなることがあります。すると、改善したはずの歯周病が再発してしまうことも。ですから、歯周病にかかっていながら矯正をしたい場合は、今まで以上にお口のケアに気を配らなければなりません。

歯周病治療の一環としての矯正

歯並びが乱れていると、どうしてもお口の中に食べかすなどが溜まりやすくなります。それがきっかけで歯周病にかかってしまうこともあります。そのため、歯周病の予防という効果を期待して、矯正治療を行うことがあります。

また中期以降の歯周病では、歯茎が下がったり骨が溶け出してしまったりして、歯並びが悪くなってしまうことも。そういった場合、歯周病の治療が一段落したところで、矯正治療で見た目を整えることもあります。

一説によると、日本人の成人の8割が歯周病にかかっているといわれています。つまり、成人の矯正治療は歯周病と切っても切れない関係にあるともいえるでしょう。

ただ矯正治療専門の歯科医院の中には、歯周病とは縁のない子供の矯正治療が主というところがあります。できれば成人の矯正治療を多く手がけている歯科医院に相談し、健康で美しい歯並びを手に入れてみてください。