2017年03月30日
矯正歯科

歯並びはセラミックスで治せるか?

歯並びはセラミックスで治せるか?

セラミック矯正

歯並びの乱れを治す矯正治療には、マルチブラケットやマウスピースなどの方法があります。でも、いずれも歯の位置を動かしてきれいに整えるまで、最短でも半年、長ければ2年以上の時間がかかります。

もっと早く歯並びを治す方法として、セラミック矯正があります。歯並びの乱れの原因となっている歯を削り、陶器の一種であるセラミックで作ったクラウン(冠)を被せることで、歯並びを整える方法です。

セラミックは大変硬くて丈夫です。表面が滑らかなので汚れがつきにくく、変色もしにくいという特長があります。素材に透明感があるので、天然の歯とほとんど見分けがつきません。

治療内容としては、歯を削って被せものをするだけなので、最短なら1ヶ月程度で治療を終えることができます。

セラミック矯正ができないケース

セラミック矯正では、元からある歯を土台にしてクラウンを被せます。そのため、見た目を修正するにしても限度があります。

歯の隙間が気になるといった軽度の乱れなら、セラミック矯正でも十分対応できます。しかし、歯が重なっているなど歯並びの乱れが著しい場合には、セラミック矯正をしても歯並びをきれいに整えることはできません。

また、歯が傾いて生えているようなケースも、セラミック矯正には向いていません。セラミックのクラウンで歯の見た目だけを修正すると、歯の根に対して傾いた方向から力がかかるようになります。

セラミックは天然の歯よりも硬いので、噛み合わせるたびに土台となっている歯を痛めつけることになってしまいます。最悪の場合、根がダメになってしまい抜歯にいたることもあり得ます。

セラミック矯正に向いているケース

セラミック矯正は短期間で治療が終わるため、就職試験や結婚式などの予定が迫っている場合には有効な治療法です。クラウンの色も好みで選べるため、歯並びだけでなく歯の色を整えることもできます。

歯並び全体ではなく一部のみの治療もできるので、気になる歯が1本だけあるといったケースには最適です。セラミック矯正は保険外治療になりますが、一部の歯だけなら治療費も抑えられます。

また、歯の位置を動かすわけではないので、歯周病の患者さんでも矯正できます。

ただセラミック矯正は、健康な歯を削って見た目の歯並びだけを整える治療です。なかには、セラミック矯正は矯正とはいえないという歯科医師もいます。見た目の美しさを優先するのか、歯の健康を優先するのか、よく考えてから治療に臨みましょう。