2017年04月04日
インプラント

インプラントは何歳まで出来るの?

インプラントは何歳まで出来るの?

インプラントに向いている年齢

 インプラントは、失ってしまった歯の代わりに人工の歯根を入れる治療です。そのため、高齢になってからインプラント治療を考える人も少なくありません。そんなときに気になるのが、「インプラント治療は何歳くらいまで大丈夫なのか?」ということではないでしょうか。

 可能性のみで言うなら、インプラントには年齢制限はありません。たとえ100歳を超えていても、条件さえ整っていればインプラント治療ができます。

 歯の治療とはいえ、インプラントでは麻酔を伴う外科手術が必要になります。そのため、患者さんの体力も必要になりますし、ほかに病気があれば手術時のリスクも高まります。

 高齢になると、既往症や体の不具合をもっている人が多くなるため、インプラントが難しくなってしまうのです。逆に、いくら年齢が若くても、既往症などでインプラントができない人もいます。

 多くの歯科医院では、インプラントが可能な年齢として、20~70歳くらいを目安にしています。しかし、体の状態は個人差が大きいので、この年齢層でなければ絶対に無理というわけではありません。

インプラントが難しいケースとは

 インプラント治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込みます。この人工歯根が顎の骨としっかり結合することで、生まれ持った歯と同じように噛めるのです。

 そのため、顎の骨が細かったり骨密度が低かったりすると、インプラントは受けられません。その場合はインプラント治療に先立って、骨移植や骨代替材の注入といった施術が必要になります。

 また、糖尿病で血糖コントロールがうまくできていない人は、インプラント手術に失敗してしまうことがあります。血糖値が高い状態が続くと、白血球の働きは鈍くなります。すると、手術跡の治癒が遅くなったり、細菌に感染して膿んでしまったりするのです。

 脳塞栓や心臓病の治療で血液を固まりにくくする薬を服用している場合も、インプラント治療は受けられません。どうしてもインブラントを行いたい場合は、歯科医師と内科医師が協力して治療にあたる必要があります。

 さらに、インプラントを長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが必要です。痴呆症の症状が出ている、手に障害があるといったケースでは、メンテナンスが行き届かずトラブルが起こることもあるので、注意が必要です。

 インプラント治療は、あまり年齢が若すぎても受けることができません。

 ほとんどの人は16歳前後で永久歯が生えそろいますが、その後も顎の骨は成長し続けています。そして顎の骨の成長とともに、歯の位置が少しずつ動いていきます。そのため、顎の成長が止まる前にインプラント治療を行うと、歯並びや噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。

歯科医師によって見解が分かれることも

 インプラント治療が受けられるかどうかは、年齢で決まるわけではありません。一度、歯科医師に相談をしてだめだったとしても、その後に体の状態が変化すれば治療を受けられるようになることもあります。

 また、ある程度のリスクがあっても患者の望む治療をするか、リスクは徹底的に排除するべきと考えているかなど、歯科医師によってスタンスも違います。そのため、A歯科医院では断られたけれど、B歯科医院でならインプラント治療を受けられた、といった例もあります。

 歯科医師に相談した結果に納得できない場合は、セカンド・オピニオンとしてほかの歯科医師の意見を聞くのも有効な手段です。