2017年04月22日
インプラント

インプラントをしたいけど骨が足りない!そんな時に行う骨増生の方法とは?

インプラントをしたいけど骨が足りない!そんな時に行う骨増生の方法とは?

歯科におけるインプラント治療とは、歯が失われてしまった部分に人工の歯などを移植することです。これは、見た目の審美性や咀嚼力を、元々あった歯と同じくらいに回復することのできる効果的な治療法です。しかし、インプラントを埋め込めるだけの骨の土台がなければ、治療を施せない場合もあります。
ですが、そんな場合にも「骨増生」と呼ばれる手術で骨を増やせば、インプラントが可能になることもあります。では、その骨増生とはどのように行われるのでしょうか?その種類や内容をご紹介いたします。

骨増生とは?

骨増生とは、自身の身体の一部から取った自家骨や、人工骨を用いて骨を増やす治療のことをいいます。インプラントを埋入できるだけの歯槽骨の量や厚みなどが足りない場合に行う方法です。
骨増生が必要となるパターンとしては、歯周病や年齢等が原因で骨が痩せてしまったり、抜歯後徐々に歯槽骨が溶けてきてしまったりしている場合です。また、生まれつき骨が少ない方にも骨増生が必要になることがあります。
その骨増生にもいくつかの方法があり、個々の状態や歯の部位によっても、用いられる治療方法が異なってきますので、以下に詳しくご紹介いたします。

ボーンクラフト(骨移植)

ボーンクラフトは、前歯などの部位の骨増生によく用いられる方法です。
歯槽骨に厚みが必要な部分に移植骨のブロックを設置し、その隙間に骨補填材や粉砕した移植骨を詰め、スクリューで固定するという処置を行います。インプラントが可能になるのは、移植後6カ月程度です。

GBR法(骨誘導再生)

GBR法もボーンクラフトと同様、前歯付近の歯槽骨に厚みが足りない場合によく用いられる方法です。粉砕した移植骨や骨補填材を置き、その上をメンブレンといった人工の膜で覆い歯肉を縫合することで、内部の骨が再生されていきます。こちらも、処置後6カ月程度でインプラント治療が可能になります。

サイナスリフト(上顎洞挙上術)

上顎骨の内部の空洞部分である上顎洞に、移植骨や骨補填材を入れて骨の厚みを補う方法です。歯が抜けた後に、歯槽骨が溶けて薄くなってしまった場合などに用いられます。
このサイナスリフトには、一度の手術でインプラントも同時に埋入する一回法と、6~8カ月程度の期間ののちにインプラントを埋入する二回法とがあります。

ソケットリフト(上顎洞挙上術)

ソケットリフトは、上顎洞に移植骨や骨補填材を挿入するサイナスリフトの処置を、インプラント用の穴から行う方法です。サイナスリフトよりも傷口が小さく負担が少ないという利点がありますが、骨の厚みが足りない場合は、サイナスリフトでないと処置が難しい場合もあります。

スプリットクレスト(歯槽骨増大法)

スプリットクレストとは、骨の頂上から器具を挿入し、骨の幅を押し広げる方法です。この方法にはインプラントが安定しやすいという利点がありますが、骨の高さや幅、硬さなどによっては行えない場合もあります。

骨増生の種類と方法をご紹介してまいりました。骨増生の方法は複数あり、歯科医師の技術などによって術後の経過や仕上がりを左右されることが考えられます。経験豊富な歯科医院や信頼できる歯科医師によく相談して、インプラントや骨増生を検討してみてください。