2017年05月13日
その他

治療用のグローブは患者様ごとに交換していますか?

治療用のグローブは患者様ごとに交換していますか?

歯医者さんでは、治療のときにグローブ(手袋)を使用することが多いですね。でも…それぞれの患者様ごとに交換はしているのでしょうか。

患者様ごとに必ず交換する歯医者さんが年々増加

平成24年のある調査によると、患者様ごとに毎回必ずグローブの交換をすると答えた歯医者さんは、4割にしか満たないというデータがありました。
残り6割の歯医者さんは、患部に触れるような治療をしたときや、グローブが汚れたときには交換をしているものの、診療内容によっては交換しないこともあったようです。グローブをはめたまま手洗いをしたり、中には、グローブ自体をあまり使用しないという答えもありました。

けれど、ここ数年で感染症予防対策への意識は急激に高まり、平成28年には、診療内容に関わらず、患者様ごとに毎回必ずグローブを交換するようにしていると答えた歯医者さんは7割近くに増えたという推定結果も出ています。

グローブの交換をどこまで徹底できるかが課題に

患者様ごとに毎回必ず交換しようという意識はあっても、同時に複数の患者様を並列して治療を行わないといけない場合、細かに別の患者様間を行ったり来たりするため、そのたびにグローブを交換するのにはかなりの労力と手間がいります。
治療が手間取れば患者様への負担も増えるので、そのさじ加減は難しいところです。

それでも、その度にグローブを外し、手洗いをしてから新しいグローブを着用することを徹底して行っている歯医者さんも増えてきています。

歯科治療への不安を少しでも取り除くため、患者様の目の前で新しいグローブに交換し、安心して治療を受けてもらおうという取り組みもあります。

主に使用するのはディスポーザブル(使い捨て)グローブ

歯科治療で一般的に用いられるのは、治療用のディスポーザブル(使い捨て)グローブです。
外科手術が必要な治療では、それ用の滅菌グローブが使用されることもあります。

治療用ディスポーザブルグローブは、天然ゴムラテックス、プラスチックなどの素材があります。機能性にもっとも優れているのはゴムラテックス製のものですが、人によってはアレルギーをおこす恐れがあるため、使用しない歯医者さんも増えています。

また、着脱がしやすいようにパウダーがついたタイプのグローブもあり、パウダーに使用されるのは人体に無害なコーンスターチなどですが、こちらでも稀にアレルギーをおこす人がいます。

患者様ごとに毎回必ずグローブを変え、安全性の高い素材を使用して清潔・安全に配慮する一方、個人差の大きいアレルギーなどには対応しきれない面があります。

歯科治療の際には、治療者やスタッフが衛生・安全対策を重視するのはもちろんですが、患者様の側も、自分のアレルギーや体質について詳しく問診票に記入するなど、お互いの協力によってより安全な治療環境を目指すことが重要です。