2017年05月19日
インプラント

インプラントができない場合はあるか?

インプラントができない場合はあるか?

入れ歯やブリッジに比べ、自分の歯にもっとも近く復元できるインプラント治療は人気があります。

けれど、どんな人にでもインプラントができるというわけではなく、状態によってはインプラントができない場合もあるのです。

インプラントとは?

インプラントは、失った歯の根の代わりの人工歯根(インプラント体)を顎の骨に直接埋め込み、その上に人工歯を結合させる治療法です。部分入れ歯やブリッジのように残っている歯で支える必要がなく、金属の部品などが外に見えることもないので見た目にも優れています。

現在は手術技術やインプラントの品質も進化し、インプラントは身近なものとなりました。
とはいえ、インプラント治療は外科手術です。そのリスクが高くなると判断されるときには、インプラントはできない場合があります。

インプラントができない場合

インプラントができない場合としては、以下のようなケースがあげられます。

顎骨の量が極端に少なすぎる

インプラントはネジのような人工歯根を顎の骨に埋め込むため、残っている顎骨の幅や厚みが足りないと手術ができません。その場合の処置としては、骨の幅を広げる方法、骨を移植する方法、頬骨を利用した方法など様々な方法がありますが、骨の量が極端に少なすぎるとそれらの方法でも対処ができないケースがあります。

歯周病が未治療

歯周病が未治療になっていると、歯周病菌によってインプラントの周囲が炎症をおこしやすくなってしまいます。その場合、歯周病をきちんと治療した後ならインプラントをすることが可能です。

重い糖尿病がある

糖尿病は、様々な合併症がともないます。神経や心臓などに重大な合併症がおこっている重い糖尿病がある場合、インプラントは向いていません。

心疾患や脳血管疾患や高血圧の状態が良くない

心臓や脳血管に病気があったり、高血圧のコントロールが上手くできていなかったりする人は、手術のリスクが高まるためインプラントができない場合があります。

チタンアレルギー

顎の骨に埋め込むインプラント体には純チタンという金属が使われます。チタンは人の体との結合性が高く、多くの医療で用いられる安全なものですが、まれにチタンアレルギーのある人が報告されており、その場合はインプラントができません。

ヘビースモーカー

インプラントは埋め込んだら一生そのままで使えるというわけではなく、メンテナンスをし、口内環境を良好に保つ努力が欠かせません。ヘビースモーカーの人は口内環境が悪化しやすく、インプラントが上手く適合しない場合があります。

骨の組織に変化を与える薬を服用中

骨粗しょう症の治療で使われるビスホスホネートなど、骨の組織に変化を与える薬を服用中はインプラントができません。その薬を処方している医科の主治医の協力の元、休薬が可能になればインプラントもできる場合があります。

妊娠中

妊娠中には、緊急性のある手術以外は避けるのが基本です。妊娠中の人は出産後に状態が落ち着いてからの治療となります。

18歳以下

骨が成長途中の18歳以下の人にはインプラントが向きません。

その他インプラントによるリスクがあると歯科医が判断した人

上に書いた以外でも、個々の症例により、インプラントよりも入れ歯の方が向いていると判断されたり、手術やインプラント使用によるリスクがメリットを上回ったりすると歯科医が判断した場合、インプラントができないことがあります。