2017年06月25日
一般歯科

口の中にはどれ位細菌がいるか?

口の中にはどれ位細菌がいるか?

口の中の細菌は虫歯だけでなく全身疾患を引き起こす

大人の口腔内に潜む細菌の種類は300~700といわれており、その数は歯をよく磨く人で1000から2000億個、ほとんど磨かない人は1兆個に至る場合もあります。
これらには虫歯や歯周病の原因菌だけでなく、口腔内には肺炎桿菌やインフルエンザ菌といった全身疾患の原因菌も含まれており、免疫力が低下すると病気にかかってしまいます。
もっとも細菌が増殖するのは睡眠中。睡眠中は細菌の働きを抑えてくれる唾液の分泌が減ってしまうため、3時間もすれば飽和状態になるといいます。寝起きに口臭がきつくなるのは細菌の増加が原因なのです。
年齢を重ねるごとに免疫力は弱まり、口の中の細菌が原因で病気にかかるリスクは高まっていきます。高齢者の死亡原因トップの肺炎ですが、もとは口の中に潜んでいた肺炎桿菌であることが多いそうです。菌が含まれた唾液が胃ではなく気管支や肺に送り込まれて感染する誤嚥性肺炎といいます。

口腔の細菌から身を守るには日頃のケアが重要

口腔のケアといえば朝夜と食後の歯磨き。前述したように睡眠中はもっとも菌が増殖しますので、就寝前の歯磨きはもっとも重要です。
意外と思うかもしれませんが、食事直後の歯磨きよくありません。食事に含まれていた酸が歯のより奥まで浸透してしまいます。理想は食事の30分~1時間後とだといいます。免疫力が弱まった高齢者の方は特に気をつけましょう。
また赤ちゃんの生後1歳7ヶ月から2歳7ヶ月の間は、口腔の細菌叢が形成される時期です。この時期に様々な細菌が口腔に住み着きますが、この時期を過ぎてしまえば以後他の菌が増えることはほとんどなくなります。つまり口腔の細菌が、赤ちゃんに感染するため、身近な家族の口腔のケアが特に大切な時期になるでしょう。この時期に獲得した細菌により、赤ちゃんの口腔の健康が左右されると考えてください。