2017年06月28日
矯正歯科

なぜかみ合わせが大切か

なぜかみ合わせが大切か

「かみ合わせが大切」とよく言われますよね。とくに最近は、お口の中に関わらず、全身の様々な部分とかみ合わせの関係が指摘されています。

なぜそこまでかみ合わせが大切なのでしょうか?

「よい状態のかみ合わせ」とは?

「かみ合わせが大切」とは言うものの、自分の歯のかみ合わせがよい状態なのかどうか、判断するのは難しいところもあります。歯並びのよさとかみ合わせのよさは一致しない場合もあり、見た目はいいのにかみ合わせには問題があるという人もいるのです。まずは、「よい状態のかみ合わせ」をチェックしてみましょう。

奥歯が均等にかみ合っている?

正面から見ると綺麗な歯並びをしていても、実際にかむのは奥歯です。上下の歯をかみ合わせたとき、右と左の力の入り方が異なっていたり、歯の部位によってかみ合わない・強くかみ合い過ぎるなどのムラがあったりする場合、様々な面で問題がおこりやすくなります。

上の前歯は下の前歯に少しかぶさっている?

前歯のかみ合わせについては、上の歯が下の歯に少しかぶさっているのが通常です。上下の歯が水平にかみ合っていたり、上の歯がかぶさり過ぎて下の歯がほとんど見えなかったり、下の歯が上の歯にかぶさっていたりする状態だとやはり問題がおこりやすくなります。

かみ合わせからおこる問題とは?

かみ合わせに何らかの異常があった場合、具体的にはどのような問題がおこりやすくなるのでしょうか?

食べ物がかみにくく消化を妨げる

歯の一番の役割は、「食べ物をかむこと」です。歯は第一の消化器官とも呼ばれ、かむことで脳に刺激が伝わり、胃腸や各消化器官には必要な消化酵素の準備がされます。かむと唾液がたくさん出ますが、この唾液にも消化酵素が含まれます。食べ物を飲み込む前にしっかりとかみ、細かくなった食べ物を唾液と混ぜて胃の方へ送ることで、胃での消化がスムーズになります。かみ合わせが悪くなって食べ物がかみにくくなると、胃腸に負担がかかり、消化の妨げになってしまうことがあります。

歯がのびたり摩耗したりする

かみ合わせのバランスが崩れたままで放置していると、かみ合う相手のない歯がのびたり、反対に強くかみ合い過ぎている歯が摩耗したりすることがあります。

顎のズレや関節の異常につながる

かみ合わせは、歯そのものというより顎のかみ合わせの問題もあります。歯の方の異常から顎のズレや顎関節の異常につながることもあれば、反対に顎の問題から歯並びに異変がおこっているケースもあります。顎がズレると見た目の問題だけではなく、関節の痛みや口の開けづらさなどが症状になる顎関節症が引き起こされることがあります。

頭痛や肩こりの原因となる

かみ合わせの問題によって不均等な力がかかり続けていると、周辺の筋肉にも緊張が走り、頭痛や肩こりの原因となることがあります。かみ合わせを調整したことで、長年の頭痛が治ったというケースも実際に見られます。

かみ合わせを治療するには?

上に書いた以外でも、かみ合わせの問題が様々なところに影響する可能性が指摘されるようになっていて、全身の健康、精神面に対してもかみ合わせは大切と言われています。

かみ合わせの治療は、状態によって向いているものが異なり、矯正治療、顎関節の治療、入れ歯や被せ物による調整などがあります。軽い場合は被せ物を合ったものに取り換えるだけでも状態が改善することもあるので、かみ合わせが気になるときには歯科医院で相談をしてみましょう。