2017年07月07日
矯正歯科

矯正って痛いの?

矯正って痛いの?

綺麗な歯並びを希望する人は年々増えています。矯正方法も様々なものが選択できるようになり、大人の方も矯正治療に積極的です。

でも…歯を無理やり動かすなんて痛くないの?と、不安に感じる人も多いようです。

矯正の痛みはどの程度のものでしょうか?

矯正治療の中で痛みを感じるシーンは主に2つ

歯の矯正は、歯に人工的な力を加え、骨の中を移動させていく治療法です。力の加わった部分の骨や歯根膜などの組織は一度退行し、歯が移動した方に新たな組織が生まれて入れ替わっていきます。そのくり返しによって歯が移動していくわけですが、固定しているものを動かす以上、痛みをまったく感じないという人は少ないかもしれません。

と言っても無理やり強い力をかけて歯を引っ張るわけではなく、ジワジワとした力を負担の少ない範囲でかけていく方法ですので、耐えられないような痛みは通常おこりません。それに、現在の矯正装置や方法は昔に比べると進化し、矯正治療の痛みはかなり軽減されたと言われています。

矯正治療の中で痛みを感じるのは、主に2つのパターンがあります。1つ目は、移動させるために加えている圧力による痛みです。日常生活の中で持続的に痛むことはほとんどありませんが、装置のつけ始めや歯科医院での調整でワイヤーをしめたときには鈍い痛みを感じる場合があります。

2つ目は、装置が口の中の粘膜や舌にあたって痛いというパターンです。とくに、歯の内側に取り付ける装置などでおこりやすい痛みです。

多くの患者さんはしばらくすると痛みに慣れ、とくに効果が見え始めるとその嬉しさが勝ち、痛みは気にならなくなる傾向にあるようです。矯正治療での痛みは、むし歯や針で刺すような鋭い痛みではなく、力が加わったり装置があたったりする圧痛でどちらかと言えば鈍いものが中心なので、比較的恐怖を感じる人は少なく、「慣れ」による軽減が期待される痛みと言えます。

矯正治療の内容によっても痛みは異なる

一口に矯正と言っても、患者さんの状態は様々です。抜歯をしなければいけないケースや外科手術が必要となる大がかりな矯正では、軽度の矯正に比べると痛みを感じる機会は多くなるかもしれません。反対に、ワイヤーを使わず薄いプラスチック製のマウスピースを使った矯正方法などでは、痛みはほとんど感じないという人も多いようです。

ワイヤーを使った矯正法であっても、現在は軽い力で効率的に歯を動かせる装置も登場し、患者さんそれぞれの状態や選ぶ矯正方法の種類によっても痛みは異なります。できるだけ患者さんの痛みを軽減させるための研究や歯科医師の努力が行われていますが、歯並びや口の中の状態によって向いている方法は様々なので、歯科医師とよく相談するようにしましょう。

痛みが強い時には歯科医師へ伝えましょう

一般的に、矯正治療の痛みはだいぶ軽減されたと言われますが、けれどもし、矯正治療中に強い痛みを感じ、明らかに不快な場合には歯科医師へ伝えましょう。痛みの感じ方には個人差があり、装置の調整などによって痛みを改善させたり、力のかけ方を加減したりして対応できることも考えられます。

矯正とは違う原因で口の中が炎症をおこし、そこに装置があたって激しく痛むなどのケースも稀にあるので、強い痛みが気になるときには歯科医師に相談してください。

また、矯正中は口の中のお手入れを頑張り、むし歯や歯周病を発生させない努力や、口の中を荒らすような強い刺激のある香辛料を避けるなどの工夫も、痛みを減らすためのポイントとなります。