2017年07月19日
一般歯科予防歯科

糸ようじ(デンタルフロス)、行っていますか?

糸ようじ(デンタルフロス)、行っていますか?

糸ようじ(デンタルフロス)とは

歯と歯の間の汚れを除去する糸状のようじ。基本的な使い方は、汚れがたまりやすい歯の隙間にようじを差し込み、汚れをかきだします。一般的な歯ブラシだと歯垢の50~70%までしか除去できないといわれていますが、糸ようじを使うことで歯垢の除去率が90%ぐらいまではね上がるといい虫歯予防に効果的。糸ようじとよく似た歯間ブラシは、歯と歯茎の間の歯垢を取り除き、主に歯周病予防のために使用されます。いずれも虫歯・歯周病予防に効果が見込めますが、特化している部分が違うのです。
ようじの歴史は深く、糸状のようじでは現在のようなかたちになったのは1800年代ごろと考えられているようです。

日本での使用率はまだ低い

非常に優れた歯垢除去率であるものの、日本での使用状況はよくなく、糸ようじや歯間ブラシなど、なんらかの歯間部清掃用具を使用しているのは4人に1人程度です。細かい作業になるためか、高齢になるほど使用率は下がっていきます。
一方、予防歯科先進国であるスウェーデンでの使用率は約50%。約80%の人が予防歯科に必要性を感じているといいます。世界的に見て日本人の予防歯科への意識はまだまだ低いといわざるを得ないでしょう。

糸ようじの有効性は多くの歯科医が認めている

ひもを歯の間に入れて、汚れをかきだすという単純な清掃用具ですが、使い方や知識次第でさらなる有効性を発揮します。

・就寝前に使用すればさらに効果的

人間寝ているときは、口腔の清潔を保つための唾液の量が少なくなり、虫歯がもっとも進行しやすいですが、寝る前にきちんと歯垢を取り除けばそのリスクを軽減してくれます。

・口腔の異常を早期に発見することができる

糸ようじを使用中、何かにひっかかる感触があったら虫歯の可能性あり。早期の段階であるはずなので歯医者にいけば楽に治療することができるでしょう。また使用した糸がよくほつれるのは、つめ物やかぶせ物が劣化しているのかもしれません。特に注意したいのは糸への血の付着。2週間程度以上続くようなら歯周病の可能性があります。至急歯医者に相談してください。
なお糸が取れなくなった場合は、はさみで一部を切ると取りやすくなります。糸の一部が歯の隙間に挟まっているのであれば、新たな糸ようじで取り除きましょう。

・虫歯予防だけでなく口臭予防にもなる

発酵した歯垢は悪臭を発生させます。歯の隙間にたまった歯垢を日々こまめに取り除けば、口臭予防になるのです。

糸ようじは大きくわけて2タイプあります

・糸巻きタイプ

糸をはさみで切り、左右の指に巻き付け使用します。糸のみの使用ですので、ホルダータイプと比べると費用を押さえられるでしょう。また糸はワックス、ノンワックス、エクスバンドタイプの3種類あります。ワックスとノンワックスの違いは扱いやすさで、前者は非常に滑りやすく歯の隙間に差し込みやすくなっておりますが、ノンワックスと比べると歯垢をかきだす力で劣ります。エクスバンドタイプは唾液を吸うことで膨らむ仕様です。サイズが大きいため、小さな隙間に入りにくいものの、かきだす力は3種類の中でトップです。

・ホルダータイプ

ホルダーにあらかじめ糸が張ってある糸ようじです。箱から出すとすぐに使えるためお手軽感があります。糸ようじにまだ慣れていない方にお勧めです。こちらは一般的に糸を選ぶことはできません。

なおいずれも使い捨てとなっています。