2017年07月22日
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アルツハイマーの治療薬で歯の再生が可能に

アルツハイマーの治療薬で歯の再生が可能に

アルツハイマーとは

アルツハイマーとは認知症の一種であり、人格の変化や認知機能低下などの症状が見られます。症状が急激に進むことはありませんが、現在回復が見込める有効な治療法は存在しません。
症状が進むと、記憶障害、学習障害、注意障害といった認知障害が、生活に支障がでるほど重症化していきます。最終的には寝たきりとなり意思疎通もできなくなります。
暴言、暴力、徘徊などの問題行動が見られるようになった場合、介護に大きな困難が伴うでしょう。

アルツハイマーの治療薬で歯の再生が可能!!

2017年、英ロンドン大学キングス・カレッジの研究者は、アルツハイマーの治療薬を虫歯の詰め物として使用することで、象牙質の自然再生に成功したと発表。
歯の中には、神経と血管で構成された歯髄という象牙質を再生させる軟組織が存在しますが、人工的な詰め物を使用すると自然な象牙質の再生を阻害してしまうといいます。
一方、アルツハイマー治療薬「タイドグルーシブ」には象牙質の再生を促す作用があることが判明したのです。研究チームはマウスの歯を削った部分に、コラーゲンでできたスポンジにタイドグルーシブ含ませて詰めた結果、象牙質が見事に再生したことを確認。現在はマウスの4倍の大きさであるラットでの実験を進めており、成功すれば年内中に初の臨床実験の実施を目指すといいます。
詰め物としてタイドグルーシブが実用化されれば、人工的な詰め物に使われるセメントが原因の感染症にかかることがなくなり、また治療に伴う痛みも軽減するでしょう。

タイドグルーシブは、アルツハイマーの治療薬として治験が行われていることから、実験成功後は、実用化までそれほど時間がかからないのかもしれません。