2017年08月03日
一般歯科

歯磨きの仕方

歯磨きの仕方

歯は毎日必ず磨いているという人も、ただ習慣的に歯ブラシを動かしているだけでは不十分なときがあります。

歯磨きをより効果的にするには、どのような仕方ですればいいのでしょうか。

1日に何回磨く?

「歯は毎食後に磨いた方がいい」「磨きすぎるとかえってよくない」。歯磨きの回数についてはいくつかの説があります。けれど、今のところ「絶対これが正しい」という科学的な根拠は無いそうです。日本では一般的に、「毎食後3回、3分以内に3分間磨く」ということがすすめられてきましたが、これも必ずというわけではなく、それぞれの人の状態や生活に合わせることが大切とされています。

むし歯や歯周病になりやすい人や、詰め物や被せ物が多い人、入れ歯やインプラントをしている人なら、毎食後に歯磨きをして汚れを落とす方が安心ですし、唾液の自浄作用がしっかりしていてむし歯になりにくいタイプの人は、朝・夕2回の歯磨きでも問題なく過ごせることが多いようです。

いずれにしても、一番重要なのは、夜の就寝前(夕食後)の歯磨きです。眠っている間は唾液の量が減って細菌が繁殖しやすいため、夜の歯磨きはとくにていねいに行う習慣をつけましょう。

歯ブラシや歯磨き粉を選ぶ

効果的な歯磨きのためには、歯ブラシや歯磨き粉も自分の状態にあったものを選ぶことが大切です。歯ブラシは、歯や歯肉が健康な状態の人は「ふつう」の硬さを選び、歯肉が出血しやすい状態になっている人やエナメル質が薄くなっている人は「やわらかめ」を使用しましょう。毛先の開いた古い歯ブラシを使うと、約40%プラークの除去率が低くなると言われています。歯ブラシは適宜(約1か月周期が目安)新しいものと交換しましょう。

歯磨き粉には様々なタイプがありますが、むし歯になりやすい人はフッ化物の入ったむし歯予防タイプの歯磨き粉がすすめられています。

基本の歯の磨き方

歯ブラシはペンのように持ち、歯の各面をまんべんなく磨くように意識しながら細かく動かしましょう。とくに奥歯は意外と凸凹している人も多いので、歯ブラシのヘッドの向きを変えながら、全体にブラシがあたるように心がけましょう。最初のうちは鏡で見ながら磨いてみるとコツがつかみやすくなります。

歯そのものだけでなく、歯肉と歯の境目を磨くことも重要で、この部分には歯ブラシを45°程度の角度で斜めにあてて動かします。

ポイントは、手に力を入れず、軽く細かく動かすこと。強い圧力でゴシゴシしてしまうとかえって汚れが落としづらく、歯肉やエナメル質を傷つけてしまう原因にもなります。強く磨くより、1本1本の歯と歯肉の境目をていねいに磨いていくことが大切です。

そして、夜のお手入れでは歯ブラシだけではなく、フロス(糸ようじ)や歯間ブラシも通してすき間の汚れもかき出し、その後に歯ブラシで全体を磨くことがすすめられています。

部分入れ歯を使っている人は必ず入れ歯を外し、入れ歯と残っている歯は別々に磨きましょう。入れ歯には専用のブラシや義歯用歯磨き粉の使用が向いています。

電動歯ブラシを使う場合

最近は電動歯ブラシも進化し、たくさんのタイプが売られています。家電量販店や通販でも売れ筋の人気商品ということなので、電動歯ブラシを使っている人も多いのではないでしょうか?

電動歯ブラシはたしかに便利な商品ですが、お口の細かな部分にはかえって届きにくかったり、振動が強いものだと刺激になりすぎたりすることもあるので、自分の状態に合わせて選びましょう。電動歯ブラシを使う場合でも、歯ブラシでの手磨きやフロスなどでのお手入れは併用するのがおすすめです。