2017年08月19日
一般歯科

歯ぎしり、喰いしばりって何?

歯ぎしり、喰いしばりって何?

歯ぎしりや喰いしばり。言葉はよく聞きますが、実際にはどのような状態を指すのでしょうか?

歯ぎしり・喰いしばりの種類

歯ぎしりとは、上下の歯をすり合わせたり連続して接触させたりすること。喰いしばりは、上下の歯を動かさずにグッと強く噛みしめることです。

歯ぎしりのうち、上下の歯をギリギリと音が鳴るようにすり合わせるものは「グライディング」、カチカチと上下の歯を連続して接触させるものは「タッピング」と名前がついています。喰いしばりは「クレンチング」と呼ばれます。

医学用語では、歯ぎしりと喰いしばりを合わせて「ブラキシズム(Bruxism)」と呼んでいて、歯や周辺組織に影響を与える可能性のある習慣として、その程度によっては改善が必要と判断されることもあります。

また、最近は、強く喰いしばらないものの、常に上下の歯が触れ合っているTCH(歯の接触癖)と呼ばれる状態も、歯ぎしりや喰いしばりと同様に問題のある習慣として注目されています。

問題の無い歯ぎしりとは?

歯ぎしりというとギリギリ音が鳴るほど奥歯を強くすり合わせるイメージがありますが、実は奥歯がそこまで強く噛みあわない歯ぎしりというのもあります。

その歯ぎしりは、上下の歯が軽く触れ合う程度でおこり、主に睡眠中に見られる顎の運動で、多くの人が持っている習慣とされています。この範囲ならば歯や顎に負担がかかり過ぎることはなく、ストレスの軽減、口周りの緊張の緩和、顎関節の調整などの役割があると考えられています。

病的な歯ぎしりや喰いしばり

一方、「ギリギリ」「ギシギシ」と大きな音が鳴るほどの歯ぎしりや、必要以上に強く歯を噛み合わせる状態の続く喰いしばりは、歯や歯周組織、顎の関節や表情筋などに負担を与え、歯のすり減りや亀裂、詰め物や被せ物の破損、顎関節の異常、歯肉の炎症、頭痛などの原因になることが指摘されています。

激しい音のする歯ぎしりの場合は、一緒に寝ている人の睡眠の妨げになる可能性もあり、家族や友人からの指摘で初めて歯ぎしりを自覚する人もいます。

強すぎる歯ぎしりは、主に大きなストレスが原因となっていると考えられています。ストレスと言っても精神的のストレスばかりではなく、口内環境の悪さやかみ合わせの不具合からおこる口周り全体にかかるストレス、顎関節の異常によるストレス、体全体のバランスの乱れや疲労からおこるストレスなど、様々な要因が積み重なっておこると言われています。

歯ぎしり・喰いしばりの検査や治療は?

かなり強い歯ぎしりや喰いしばりのある人は、歯科医院で歯の状態をチェックするとその傾向がわかる場合もあります。さらに確実に検査する方法としては、ブラックスチェッカーというマウスピースを使った方法もあり、歯科医院によってはその検査を受けることができます。

歯ぎしりや喰いしばりは原因が一様ではなく、はっきりと解明されていない部分もあるので統一された治療法はないですが、歯のすり減りや顎関節の不調が大きいとくには就寝中にマウスピースをはめ、歯ぎしりや喰いしばりによるダメージを防ぐ方法がよく使われます。

根本的な治療としては、歯、歯周組織、顎骨や顎関節、噛み合わせの問題などをトータルにチェックし、ストレスとなっていそうな要因を取り除く方法もありますが、歯ぎしり治療に積極的な歯科医院や、歯ぎしり外来のある病院歯科などで主に行われています。