2017年08月22日
その他

歯の寿命ってどれ位?

歯の寿命ってどれ位?

人間の歯は、乳歯から永久歯に生え変わるとそのまま最後までその歯が使われ、二度と生え変わることはありません。

天然の歯の寿命はどれ位でしょうか?

歯の寿命が尽きるとき

歯の寿命が尽きるのは、骨とつながっている根っこの部分が抜けてしまうときです。根っこさえ残っていれば虫歯や外傷で上部が欠けたとしても、詰め物や被せ物で修復し、自分の歯として使い続けることができます。歯の根が抜けてしまう原因として一番多いのは歯周病です。歯周病の場合は歯そのものではなく、歯が埋まっている骨の方が溶かされ、歯を支えきれなくなってしまいます。

それ以外に歯の根がダメになってしまう原因としては、歯の深い部分まで進んだひどい虫歯、内部の炎症、外傷、他の病気によるものなどがあり、矯正治療や審美治療によって人工的に抜くケースもあります。

歯の外側にあるエナメル質は年齢とともに薄くはなっていくものの、生きている間に何の病気もない歯が自然に抜け落ちるということは通常おこりません。永久歯は乳歯と違い、一定の年齢を迎えれば自然に役割を終えていく性質のものとは異なります。

昔は歯周病のメカニズムがよくわかっていなかったため、高齢になれば歯は自然に抜けるものという誤解もありました。けれど、実は歯周病が大きく関わっていること、それが予防や治療によってある程度防げることがわかり、予防を目的としたメインテナンスも積極的に行われるようになりました。その結果、日本人の歯の寿命はここ十数年の間で飛躍的に伸びてきています。

75歳以上で20本以上の歯が生き残っている人の割合は?

「80歳で20本以上自分の歯を保つ」ことを目標にした8020運動。実際の調査は75歳以上の人を対象に行われますが、平成11年度の段階では達成者の推計割合がたったの16.3%だったのに対し、平成23年度では40.2%、平成28年度には51.2%となっています。

ということは、努力次第で歯の寿命を延ばせる可能性があるわけです。体質と同じく歯質にも生まれ持った弱い強いがあるので、頑張ってお手入れをしていても、歯周病や虫歯にかかりやすい人というのはたしかにありますが、日常のていねいなセルフケアと、定期的な歯科でのプロフェッショナルケアを併用することで、歯の寿命を延ばせる可能性は確実にアップすると言われています。

歯の寿命を延ばし、一本でも多くの歯を最後まで使い続けられるように、日常の正しいお手入れと、歯科での定期メインテナンスを習慣づけることが大切です。

とくに、歯周病は多くの場合痛みがないまま進行し、ある日突然歯が抜けるケースもあります。虫歯も、年齢を重ねると痛みを感じづらくなり、根に近い部分から細菌の浸食がおこって急速に進行することがあるので注意が必要です。

自分の歯を使い続けるメリットは?

現在は、歯を失ってもインプラントという選択肢があり、天然の歯に近い見た目や使い心地を修復することができるようになってきました。けれど、治療費が高額で手術もともなうため、誰もが気軽に行える治療とは言えず、どれだけ優れたインプラントもやはり人工物ではあるので、天然の歯には敵わない面もあります。

天然の歯は、歯根膜というクッションによって噛む力を調整し、脳への刺激と連動して消化活動を行う第一の消化器官です。自分の歯が健康な状態で残っている割合の多い人ほど、全身の健康状態も良好な傾向にあると言われています。

治療の一部として抜歯がやむを得ないケースや、外傷や他の病気によって歯が死んでしまうこともありますが、それ以外は日常のメインテナンスで歯の寿命を延ばせる可能性が高いと考えられています。