2017年08月25日
その他

歯科麻酔、痛くない治療法ってあるの?

歯科麻酔、痛くない治療法ってあるの?

歯の治療がしたいけど、痛いのが怖い!という人も多いですよね。とくに、子どもの頃の歯科治療で痛い思いをしたことがあると、それがトラウマになってしまう人もいるようです。

そんな人のために、現在は「無痛治療」というものが行われています。

無痛治療とは?

ごく初期のむし歯を除き、歯を削るような治療には少なからず痛みがともないます。けれど、一般的には、注射による局所麻酔で治療中の痛みは確実に緩和され、無事に治療を終えることができます。抜歯などの外科手術ではさらにしっかりとした麻酔を行い、治療中に耐えられないような痛みを感じることは、通常ではあまりおこりません。

しかし、局所麻酔の注射そのものが怖いという人や、治療中の痛みにとても敏感なタイプの人、麻酔が効きづらい状態にある人に対しては、より高度な麻酔や工夫を行う歯科医院も増え、それらはまとめて「無痛治療」と呼ばれています。

「無痛」と言っても何らかの治療を行う限り、100%痛みを感じないですむと保証できるわけではありませんが、その度合いは一般の治療に比べると大幅に緩和され、歯科治療が怖くて治療に踏み出せなかったという人も、無事治療を終えることができるようになっています。

一口に無痛治療と言っても、多くの医院で簡単に行えるものから、高度な設備や歯科麻酔医の関与が必要なものまで幅広い種類があります。

電動式麻酔

一般的な注射に比べると、麻酔注射時の痛みを軽減させることができます。

表面麻酔

麻酔注射そのものの痛みに対し、皮膚表面の感覚を鈍くする塗り薬を使う方法です。表面麻酔を塗ってしばらくすると痛みの感度が低くなり、局所麻酔注射時の痛みをやわらげることができます。現在は多くの歯科医院が、局所麻酔時に表面麻酔を併用しています。

笑気ガス吸入法

笑気は亜酸化窒素というガスのことで、古くから麻酔法として用いられていたものです。笑気を吸うと脳がリラックスし、不安や緊張などが緩和され、痛みを感じづらくすることができます。歯科用には濃度の低いガスを酸素とともに吸入する安全性の高い方法が使われています。

笑気ガス吸入法では、鼻に小さなマスクを取り付けて吸入し、それ自体に痛みはともないません。ただ、低濃度の場合は治療中の強い痛みをマヒさせるほどの力は無いので、局所麻酔を併用して治療を行います。この方法には健康保険が適応されますが、採用しているかどうかは医院によって異なります。

抗不安薬の投与

精神的な緊張や痛みへの不安の強い人に対しては、治療前の抗不安薬の投与が痛みの緩和に有効な場合もあります。

静脈内鎮静法

さらに痛みへの恐怖心の強い人に対しては、注射や点滴で静脈内に直接鎮静剤を入れ、ほとんど意識がないような状態で治療を行う方法もあります。鎮静のレベルは薬剤の種類や量によって様々で、比較的意識の残るものから、全身麻酔に準じる本格的なものまでがあります。

この方法は、ある程度高度な設備や管理が必要になりますが、歯科恐怖症の人が多く需要が高まっているため、受けられる病院や医院が増えてきています。

全身麻酔法

ほとんどのケースでは、静脈内鎮静法によって恐怖や痛みを感じず治療を終えることができます。けれど、それでもどうしても不安の強い人や、行動の制御が難しい障害がある人、特別に集中的な治療が必要な人などには、全身麻酔法が用いられることがあります。全身麻酔法が行えるのは主に入院設備を持つ大学病院や規模の大きな病院歯科などになりますが、個人の歯科医院であっても、歯科麻酔医の介入の下、行っている場合もあるようです。