2017年08月28日
その他

知覚過敏って何?

知覚過敏って何?

知覚過敏はよく聞く言葉ですが、結局のところ何?と思っている人も多いかもしれません。知覚過敏は歯の病気なのでしょうか?

知覚過敏は「病気」ではなく「状態」

「知覚過敏」はその字の通り、歯の神経に刺激が敏感に伝わりやすくなっている状態です。冷たいもの、熱いもの、酸っぱいものなどの感覚や、歯ブラシやスプーンがあたる物理的な刺激に対し、歯に「ピリッ」とした痛みが走ったり、しみる感覚があったりします。

歯の神経は象牙質という部分の奥にあります。象牙質はエナメル質や歯肉によって包まれているので、通常であれば外部からの刺激が神経に伝わることはありません。しかし、何らかの原因で歯肉やエナメル質が減り、本来隠れているはずの象牙質が口内に露出するようになると、象牙質を無数に貫く象牙細管を通して中の神経に刺激が伝わり、痛みがおこるようになります。

虫歯の進行によっても歯がしみたり痛んだりしますが、その場合は「知覚過敏」とは言わず、むし歯が原因の痛みとされます。神経そのものに炎症があったり、歯肉や周辺組織に傷があったりして痛む場合も知覚過敏にはあたりません。知覚過敏は、虫歯や炎症がおきていない状態にも関わらず、神経が過敏な反応をしてしまう状態のことを指します。

知覚過敏の原因は?

知覚過敏の直接的な原因は主に象牙質の露出と考えられていますが、同じ状態にあってもすべての人に知覚過敏がおこるわけではないため、その発症のメカニズムは解明されていない部分もあります。

象牙質の露出以外の原因としては、ホワイトニング治療や虫歯治療によるもの、酸っぱいものや熱いものをたくさん食べて強い刺激を与えすぎることなどがありますが、これらの場合は一時的な知覚過敏で終わることが多いようです。

象牙質が口内に露出してしまう要因としては、過度なブラッシングなどでエナメル質がすり減ること、加齢や歯周病の影響で歯肉がやせること、歯ぎしりや喰いしばりの習慣で象牙質とエナメル質の境目に亀裂が入ることなど、様々なものが考えられています。

歯がしみたり痛んだりするときは歯科医院へ

歯がしみたり痛んだりするようになった場合は、まずその原因が何かを歯科医院でチェックしてもらいましょう。虫歯や何かの炎症がある場合は処置が必要で、とくに虫歯によって痛みがおこっている場合はかなり進行している可能性があるので注意が必要です。

知覚過敏の場合は原因によって対策は異なりますが、考えられる原因を取り除き、それでも改善されなければ痛みをおさえる対症療法が行われます。

知覚過敏の予防には、歯肉と歯の境目の部分や、露出している象牙質の部分を強く磨きすぎないことが大切です。その部分は細菌の巣であるプラークがたまりやすいところなのでしっかりと磨くのは必要ですが、手に力を入れず歯ブラシを軽く斜めにあて、細かに振動させるような感覚で優しく磨くようにしましょう。

プラークや歯石が原因となって歯肉が下がり、知覚過敏がおきている状態の場合、定期的なメインテナンスを受け、正しいブラッシングを行うことで改善される可能性があります。特別な原因が見当たらないのに歯がしみる場合には、知覚過敏対策用の歯磨き粉を利用してみるのも1つの方法です。