2017年08月31日
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知覚過敏の治療法は?

知覚過敏の治療法は?

知覚過敏は、何らかの原因によって歯の神経に刺激が伝わりやすくなっている状態です。虫歯や炎症はないにも関わらず、冷たいものや熱いものがしみたり、物理的な刺激に対して「ピリっ」とした痛みが走ったりします。

慢性的になると食事や日常生活に苦痛がともなうために困っている人も多い知覚過敏ですが、どのような治療法があるのでしょうか?

歯科医院での知覚過敏の治療とは?

知覚過敏の主な原因としては、通常はエナメル質や歯肉によって守られている象牙質の部分が口内に露出し、象牙質表面に開いた象牙細管の入り口から内部の神経に刺激が伝わりやすくなることと言われています。けれど、はっきりとしたメカニズムはわかっていない部分もあります。

そのため、歯科医院においても根本的な定まった治療法というものはなく、知覚過敏を引き起こしていると考えられる要因を取り除き、それでも改善が見られないときには、痛みを感じにくくするための対症療法が行われます。

虫歯治療の途中やホワイトニング治療の薬剤の影響で、一時的な知覚過敏がおこることがありますが、こちらは通常であれば、治療の進行とともに改善されていきます。

知覚過敏の原因を取り除く治療法

口内のクリーニング

象牙質が露出する主な原因の1つとしては、根元部分の象牙質を包んでいる歯肉が下がってしまうことがあります。加齢によるものはある程度避けられませんが、汚れや歯石がたまったことによって下がっている場合には、口内のクリーニングと毎日のブラッシングを適切に行うと歯肉の状態が回復し、知覚過敏も改善されることがあります。

悪習慣の改善

知覚過敏を引き起こしやすい日常の悪習慣として、強すぎるブラッシング、重度の歯ぎしりや喰いしばりなどがあげられます。ブラッシングが強すぎる場合は歯と歯肉の境目や、エナメル質全体にすり減りが見られ、歯ぎしりや喰いしばりにおいては歯と歯肉の境目あたりにV字型のくぼみがよく見られます。そのような状態があれば、根本になっている悪習慣を改善していくことが、知覚過敏の治療法の1つとなります。

知覚過敏を緩和する治療法

薬剤やコーティング剤を使う

お手入れや日常習慣の改善でも知覚過敏の状態が緩和されなければ、薬剤を使う治療法があります。

神経に刺激を伝えているのは、象牙質を無数に貫く象牙細管の入り口です。管の入り口と言っても目に見えるような大きな穴ではなく、ごく小さなミクロのもので、それ自体は象牙質に元々存在している正常なものです。知覚過敏の治療では、口内に露出した象牙質の表面に開いた象牙細管の入り口を人工的に閉じる方法か、過敏になっている神経の感度を鈍くするかの方法が主に使われます。

象牙細管を人工的に塞ぐ方法としては、シュウ酸カリウム溶液やフッ化ジアミン銀などの薬剤をぬったり、治療用レジンを使った歯のコーティングが行われたりすることがあります。

過敏に反応してしまう神経を鈍くする治療法としては、グルタルアルデヒド製剤、パラホルムアルデヒド製剤、タンニン・フッ化物合剤などの薬剤を利用します。

歯科用レーザー治療

歯科用レーザーの照射が知覚過敏の緩和に有効という説もありますが、はっきりとした仕組みはわかっておらず、その結果には個人差が大きいと言われています。

自宅で行える知覚過敏対策

日常でできる知覚過敏対策としては、市販の知覚過敏用歯磨き粉の使用があります。知覚過敏に対する効果効能を表示できる成分は、象牙細管を封鎖する作用のある乳酸アルミニウム、刺激の伝達を防ぐとされる硝酸カリウムなどがあります。