2017年09月09日
インプラント

インプラントの検査方法

インプラント前に行う検査にはどんなものがある?

インプラント治療は、歯茎を切開して顎の骨にインプラントを埋め込む外科手術です。そのため、治療前には口腔内はもちろん、全身の健康状態を詳しく知っておく必要があります。ここでは、インプラント治療を始める前に、どのような検査が行われるのかをご紹介しましょう。

口腔内の検査

・視診
まず虫歯や歯周病がないかをチェックします。痛みや炎症が起きている場合は、インプラント治療前にそちらの治療を先に行う、またはインプラント治療と並行して治療できるかを検討します。その他にも噛み合わせや顎関節、粘膜などの状態も詳しく調べます。

・レントゲン

レントゲンを撮ることで、視診で見つけられなかった虫歯や歯周病の有無、顎関節の状況、顎の骨の状態などを確認します。

・唾液の検査

唾液を採取して唾液の量や質、虫歯菌、歯周病菌を調べることで、虫歯や歯周病のリスクが確認できます。特に歯周病のリスクを知ることは、インプラント治療を行うことで起こるインプラント周囲炎の予防につながります。

・その他

歯科によって、また患者の口腔環境によって、医師が必要と判断した場合には、噛み合わせをより正確に知るために歯型を取ったり、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)の測定を行うなど、上記以外の検査が行われることがあります。

全身の検査

・問診

より適切な治療を進めていくために不可欠なのが問診です。過去の病気や現在患っている病気があれば、詳しく伝えましょう。インプラント治療は外科手術となるため、痛みを抑えるために麻酔をしたり、術後の痛みや炎症を抑える薬を内服したりします。全身疾患を抱えながらの外科手術は危険を伴う場合もありますので、インプラントのトラブルを防ぐためだけでなく、全身の健康状態を悪化させないためにも正直に話しましょう。病状によっては、かかりつけの病院と連携しながらインプラント治療を進めることもありますので、病院の連絡先やお薬手帳を持参しましょう。
また、食べ物や薬、金属、過去に受けた麻酔などでアレルギー反応があった場合も必ず申告しましょう。インプラント治療では、アレルギーが出にくいチタンを使用しますが、稀にアレルギー反応を起こす人もいます。定かでない場合は血液検査で調べることがあります。

・CT検査

CTスキャンを行うことで、顎の骨の状態を3次元的に把握することができます。顎の厚みや高さを立体的に調べられるだけでなく、骨量や骨密度、神経や血管の位置などのデータも取れるため、術中のトラブル防止に非常に役立ちます。

・血液検査

全身の健康状態を知るため、また問診で疑わしいアレルギーがあった際に行います。一年以内に行った血液検査の結果を持参すれば、医師によっては省略することもあります。いずれにせよ、糖尿病や高血圧症など、全身の疾患が認められた場合はインプラント治療が受けられないことがあります。

・血圧測定

普段の血圧を測定し、正常値内であるか調べます。血圧が高い場合は、治療中に脳梗塞や総卒中のリスクが高まりますので、他の専門機関での受診を勧められることもあります。

・その他

医師の方針や患者の状態によっては、心電図、酸素飽和度検査、尿検査などを行うことがあります。

まとめ

外科手術が必要となるインプラント治療では、口腔内はもちろん、全身の健康状態も綿密に検査する必要があります。どれもインプラント治療のトラブルを回避し、長期的に安全に使用するために必要な検査です。検査に疑問点があれば医師に相談し、十分に理解した上でインプラント治療を開始するようにしましょう。
また、インプラント治療前に行われる検査は基本的には保険適用外で、自費となります。検査項目が多ければ、それだけ費用も高くなります。その点についても医師と事前に話し合っておきましょう。