2017年09月12日
矯正歯科

矯正治療の検査方法

矯正治療前に行う検査にはどんなものがある?

きれいな歯並びは、見た目はもちろん、噛み合わせを正常にしたり、ブラッシングがしやすくなることで虫歯の予防にも有効です。このような理由から、子供から大人まで多くの人が積極的に行うようになった矯正治療ですが、実際に治療を始める前にはいくつかの検査が行われます。具体的に見ていきましょう。

矯正治療の前の検査

・虫歯や歯周病のチェック

まず医師による視診が行われ、虫歯や歯周病がないかを調べます。もしあった場合は、そちらの治療を先に行うことになります。

・レントゲンを撮る

レントゲンにより、視診だけでは見つけられなかった虫歯や歯周病がないかを調べます。また、骨や関節部分の異常や顎関節症のリスクなども確認します。歯科によっては顔の骨格のレントゲンを撮り、顎の屈折など詳細を分析する場合もあります。

・写真撮影

治療前に口腔内の写真や顔写真を撮影し、きれいな歯並びのためにどの部分の矯正が必要かを判断します。

・歯型を取る(印象)

歯型を取ることを印象(いんしょう)と言います。治療前に印象を行うことで、より正確に歯並びの確認ができます。
・顎の位置と嚙み合わせの確認
咬合器付着という装置を使って、顔の骨格の中で、歯がどこに位置しているかをチェックします。

・歯ぎしりの確認

歯ぎしりをしている人は、歯(特に奥歯)がすり減っていたり、損傷が激しい場合も少なくありません。歯ぎしりの状況を確認することで、歯や顎の関節に対する嚙み合わせの影響を分析します。

一般的には、上記のような検査が行われます。
このほかにも、アキシオグラフという顎の動きや嚙み合わせを検査するシステムを導入している歯科もあります。ただ、非常に高度な技術のため、一般的な歯科で行われないケースが多く、必要な場合は大学病院などの大きな医療機関で訓練された技師によって行われます。

このような検査を経て、抜歯の必要性、外科手術の必要性(一般的な歯科での抜歯や施術が難しい場合は、大規模な医療機関にて行われるケースもあります)、矯正装置の決定(金属製のワイヤー、プラスチック製のワイヤー、マウスピースなど、さまざまな種類があります)、さらに費用や期間などを医師とよく話し合い、双方理解した上で、実際の矯正治療に入っていきます。

妊婦の矯正について

矯正治療はおおむね1~3年と長い期間で行われるので、その間に妊娠する方もいるでしょう。胎児への影響が気になる方も多いと思いますが、基本的には治療を続けて大丈夫です。ただ、つわりやホルモンバランスの変化から、口腔環境が悪化しやすいので、いつも以上に丁寧なブラッシングを心がけることはもちろん、キシリトールを摂取する、歯科で定期的にクリーニングを行うなどして、虫歯や歯周病にならないように注意しましょう。
また、妊婦だけれど矯正治療を始めたい、と思っている方もいるかもしれませんが、産後の方がベターです。前述したように妊娠中は口腔環境が乱れやすい上、矯正治療によって歯や歯茎に痛みが出ることも少なくありません。妊娠中は痛みや不快感に敏感になりがちなので、できれば出産後の治療開始をお勧めします。