2017年10月06日
歯周病

歯周病で骨が溶ける?

歯周病で骨が溶ける?

歯周病とは

歯茎が腫れたり、出血したりする歯の病気のことで、細菌が歯茎に入る込むことが原因です。放っておくと歯を支える骨が溶けていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。また初期症状で自覚しにくく気づいたら重症化している場合も少なくありませんので、免疫が弱くなる40代以上になったら定期的な検診が、歯の健康を保つためには重要になるでしょう。歯周病は高齢者の歯の抜ける原因にもっともなりやすいといわれています。

歯周病になるとなぜ歯が抜けるのか

●骨は常に溶け続けている!?

よく歯周病にかかると骨が溶けるといわれますが、実は人間の骨というのは常に吸収と生成を繰り返しているのです。つまり健康の状態でも骨は溶け続けているともいえるでしょう。吸収される量と生成されている量が常に拮抗を保っているため、骨はなくならないのです。人間の身体には骨を吸収させる細胞と、骨を生成する細胞があり、前者を破骨細胞、後者を骨芽細胞といいます。

●歯周病は吸収と生成の拮抗を壊す

歯茎に細菌がたまると、歯肉結合組織内で歯周病に対抗する細胞「Th1細胞」が増殖し歯周組織に炎症反応を起こします。炎症は病原体に対抗するために必要な反応であり、実は病原体が起こしているのではなく、身体の免疫システムが起こしているのです。
しかし炎症するとともに増加する歯周組織RANKLは、破骨細胞を増やす働きがあるため、骨の吸収と生成の拮抗を壊してしまいます。炎症が長期化すると、徐々に歯を支える骨が吸収されていき、最終的に歯が抜ける要因のひとつになるのです。歯周病菌の毒素にも、破骨細胞を形成・延命の働きがあります。またかみ合わせが悪く、炎症部分に物理的な負担がかかると、さらにRANKLを増加させてしまうでしょう。