2017年10月21日
一般歯科

歯みがきのタイミングは?食後すぐはNG!?

歯みがきのタイミングは?食後すぐはNG!?

「食後はすぐに歯を磨きましょう」とよく言われますが、最近は「食後すぐはNG!」という意見も聞かれます。歯みがきのタイミングはいつが一番いいのでしょうか?

なぜ食後は歯を磨くの?

口の中は、できるだけ中性(酸性~アルカリ性が調和した状態)に保っておくのが理想です。酸性になると、歯のミネラル分が溶け出す脱灰がおこり、エナメル質がもろくなります。

食べ物が口の中にあるときは、菌が糖質を栄養源に活動を始め、その際には強い酸がつくられます。そのまま食べかすが長時間残っていると菌の繁殖がすすみ、虫歯や歯周病にかかりやすくなるため、食後は食べかすを取り除くために歯みがきをしましょうと言われるのです。

口の中や唾液の分泌量が正常なら「食後すぐ」の必要はない?

けれど、通常であれば、食後は唾液の力によって菌の繁殖を抑え、中性に戻す作用があります。脱灰した部分は唾液中のミネラル分を吸収し、自然に修復されていきます。

「食後すぐの歯みがきはNG」という説は、まだ酸性の状態にあるときに歯ブラシでゴシゴシ磨いてしまうと、もろくなったエナメル質を傷つける可能性があるため、唾液での回復を待ってから(5分~60分後位)の方が安心ということのようです。食後すぐに磨きたい場合には、やわらかな歯ブラシで優しく磨くことを心がけましょう。

また、口内環境や唾液の分泌量が正常な人であれば、忙しい日中無理に「毎食後」にこだわる必要はなく、就寝前の歯みがきを欠かさず丁寧に行うことの方が大切とも言われています。

食後すぐ・毎食後の対応が好ましい人

一方、

・虫歯になりやすい歯質
・すでに虫歯や歯周病にかかっている
・唾液の分泌量が少ない

などの人は、食後は可能な範囲で早めに食べかすを取り除いてあげる方が好ましいと言われます。その際にはやわらかな歯ブラシでごく優しく磨くことを心がけましょう。

また、

・食後は水や緑茶で口をゆすぐ(歯みがき前)
・マウスウォッシュを利用する
・シュガーレスのキシリトールガムを噛んで唾液の分泌を促す

などの工夫をすると、酸性の状態で磨くことのダメージや、歯みがきができない状況のときに口内環境が悪化するリスクを軽減させることができます。