2017年10月27日
予防歯科

モンダミンについて

モンダミンについて

「お口クチュクチュ~♪」のCMでおなじみのモンダミン。国産のマウスウォッシュとしては一番歴史が古く、現在はトップシェアを誇る人気商品です。

マウスウォッシュは、歯磨きの補助として使う便利なお口のケア用品。最近は色んなメーカーが発売していますが、実はそれぞれに特徴があり、目的やお口の状態に応じて使い分けることが大切です。

モンダミンとは、どのような商品なのでしょうか?

モンダミンとは?

モンダミンは、「洗口剤(せんこうざい)」というジャンルに分類される商品です。洗口剤は、口内を清潔に保つための成分やリフレッシュ用の香料が含まれているオーラル(口腔)ケア専用の液体です。

洗口剤には、口をゆすぐだけで使えるマウスウォッシュと、口をゆすいだ後に歯ブラシでブラッシングを行うデンタルリンス(液体ハミガキ)の2種類がありますが、モンダミンは、ゆすぐだけでOKのマウスウォッシュタイプです。(※子ども用液状歯磨きと歯科専売品のデンタルマニキュアを除く)

マウスウォッシュは、これだけで歯磨きの代わりをすることはできません。あくまで、歯磨き後の仕上げや、歯磨きができない外出時や口臭が気になるときのケア用として、補助的に使うためのアイテムです。

モンダミンの使い方

CMのフレーズにも使われているように、口に適量を含み、20~30秒ほど「クチュクチュ」と口の中に行きわたらせた後に吐き出します。うがい薬とは異なるので、のどの方に入れないように注意しましょう。

吐き出した後に水うがいの必要はありません。水でうがいをしない方が爽快感や防臭効果が長持ちします。

モンダミンはオーラルケア用品としての安全性に配慮された商品ですが、肌に使う化粧品などと同様に体質によっては合わないケースもあります。何かの異変を感じたときには使用を控えるようにしましょう。

子どもでも使える?

お子さんが使う場合は、『モンダミン Kid’s」(5歳~)や『モンダミン Jr.』(小中学生用)を選び、飲み込まないように大人の方が注意してあげましょう。

5歳以下の乳幼児には向きません。お兄ちゃんやお姉ちゃんが使っていると下の子が真似をしたがったりするので、誤って口に入れないようにそちらも注意してあげてください。

モンダミンの成分や働きは?

モンダミンには、口に残った汚れを落としやすくするための成分や、歯をイオンコーティングして汚れがつきづらい状態にする成分などが配合されており、単純に水でゆすぐよりも「お口の中がスッキリ」。ミントやハーブの爽快感も味わえ、口臭を予防する働きもあります。

現在は多くのバリエーションが販売されており、口臭予防や歯周病予防がより効果的に行える医薬部外品タイプや、アルコールやメントールの刺激が苦手な方用のセンシティブタイプなど、目的や好みに応じて様々なものが選べます。

記事の最後に、現在販売中の商品一覧と、主な成分や特徴を簡単にまとめていますので、そちらもチェックしてみてくださいね。

モンダミンの特徴

様々なバリエーションのあるモンダミンですが、「歯の汚れを落とす、汚れの再付着を防ぐ」ということが基本的に重視されており、全シリーズを通し、イオンコーティング成分TetPPやセラックなどの成分が配合されています。

他メーカーでは「殺菌」ということが最重視されているものも多い中、モンダミンでは、ノーマルタイプはもちろんのこと、殺菌成分などを配合した医薬部外品のタイプであっても、「洗浄効果」「歯を汚れの付着から守ること」の方も重視しているのが特徴です。

モンダミンの歴史

最近は、マウスウォッシュの存在が日本でもすっかり定着し、ライオンやサンスターなどの有名メーカーも積極的に販売をしていますが、国産のマウスウォッシュ第1号はモンダミン。発売されたのは1987年のことでした。

モンダミンの開発・製造元はアース製薬です。アース製薬と聞くと、どうしても殺虫剤のイメージがあるのですが…本来は「家庭生活を快適にする身近な商品」に力を入れている製薬会社です。

1980年代、まだ日本ではマウスウォッシュという存在自体があまり認識されず、海外製のものがわずかに販売はされていたものの、一般ではほとんど注目されていませんでした。

そんな中、なぜか国産のマウスウォッシュを作ろう!と、そこに着目したアース製薬の社長。先を見通す才能がある方だったんですね。その使命を受け、開発の始まったモンダミンは、試行錯誤と悪戦苦闘の末、1987年に一番スタンダードな「ペパーミント」が店頭に並ぶこととなりました。

最初は全然売れず…

苦労の末、「口臭予防のできるオーラルケア用品」として世へ送りだされたモンダミンですが、最初の世間の反応は冷ややか。日本は、オーラルケアの面ではヨーロッパやアメリカには大きく遅れをとっていて、当時、口のお手入れとして行われていたのは歯磨きくらいのものでした。

現在は、「口臭」「歯ぐきの健康」「見た目の美しさ」など様々な要素が日本でも重視されるようになっていますが、ひと昔前には口の健康や美意識への関心の低い国民の代表とされていたほどです。

モンダミンが発売された当初、一般の人が気にする歯の問題といえば虫歯くらいのもので、オーラルケアという分野には無関心な人が多かったようです。

「洗浄効果」をアピールして人気商品へ

関心の低い世間の人にどうすれば興味を持ってもらえるか?そこで考え出されたのが、「口臭予防」ではなく、「洗浄効果」の方を強くアピールすることでした。

海外では、マウスウォッシュに対しては汚れを落とせるかどうかより、虫歯や歯周病や口臭の原因となっている細菌をいかに退治するかの方が重視され、それは、虫歯や歯周病や口臭が「細菌のせいでおこる」という知識が浸透していたからです。

一方、日本では、「口の健康と細菌」の関連性は当時あまり世間には認識されず、「汚れさえ落とせればいい」という考え方が根強かったため、「口をゆすぐだけで洗浄効果が得られる」というアピールの方が上手く世間に届いたようです。それ以降、モンダミンの売り上げは飛躍的に伸びていきました。

一番ノーマルの『ペパーミント』は現在も販売が続くロングセラー商品。そして、一般の人のオーラルケアへの関心が高くなるのにともないバリエーションが増え、複数の薬用成分が含まれたものや保湿成分入りのものなど、そのラインナップは大きく広がっていきました。

モンダミンのラインナップ

2017年10月現在、販売されているモンダミンのラインナップと特徴は以下の通りです(公式サイト調べ)。

選び方のポイント

「医薬部外品」と表記されているタイプは、殺菌、抗炎症、出血の予防など何らかの効果効能が厚生労働省によって認可されている薬用成分が配合されているものです。

歯ぐきの健康や強めの口臭が気になる方には、医薬部外品タイプが向いています。

一方、それ以外のものは口の汚れを落とし、爽やかな状態を保つのが主な目的で、日常のエチケット用や歯磨きの補助として気軽に使えます。

歯や歯ぐきが敏感な方はアルコールを刺激と感じる場合があるので、「センシティブ」タイプやノンアルコール表記のあるものを選びましょう。

『ペパーミント』

・さわやかなペパーミント味
・アルコール入り
・汚れ洗浄補助成分TPP配合
・イオンコーティング成分TetPP配合
・毎日の歯磨きの補助やエチケット用に

『ストロングミント』

・シャキッとドライなストロングミント味
・アルコール入り
・油やヤニに強い洗浄成分PEG配合
・イオンコーティング成分TetPP配合
・油っぽい食事やタバコの後に

『センシティブ』

・刺激の少ないマイルドミント味
・ノンアルコール、お口と同じPhバランスで低刺激性
・やさしい汚れ洗浄成分ST-20配合
・イオンコーティング成分TetPP配合
・歯や歯ぐきが敏感な方に

『プレミアムケア(医薬部外品)』

・清涼感のあるプレミアムミント味
・アルコール入り
・虫歯、歯肉炎、出血、口臭、歯垢付着の予防に
・3つの薬用成分:CPC (殺菌)、グリチルリチン酸2K(抗炎症)、トラネキサム酸(出血予防)配合
・コーティング成分セラック配合

『プレミアムケア センシティブ(医薬部外品)』

・プレミアムケアの機能はそのままに、ノンアルコールで低刺激性

『メディカルケア(医薬部外品)』

・メディカルハーブ味
・アルコール入り
・歯ぐきの健康が気になる方に
・3つの薬用成分:CPC (殺菌)、グリチルリチン酸2K(抗炎症)、トラネキサム酸(出血予防)配合

『メディカルケア ハグキEX(医薬部外品)』

・デンタルハーブの味
・ノンアルコール
・歯ぐきが弱り出血が気になる方に
・メディカルケアと同じ3つの薬用成分配合
・歯周炎をおこす原因菌の栄養源となる出血部位の鉄分を吸着するEDTA-2Na配合

『ナイトクリア(医薬部外品)』

・プレミアムハーブ味
・アルコール入り
・朝の口のネバつきが気になる方の就寝前のケアに
・薬用成分:CPC (殺菌)、グリチルリチン酸2K(抗炎症)配合
・朝まで続く長時間殺菌処方

『ドライケア』

・ハーバルライチ味
・ノンアルコール
・お口の渇きが気になる方に
・洗浄成分に加え、保湿成分(マコンブエキス、ヒアルロン酸、ベタイン)配合

『プロケア(歯科医院専売/医薬部外品)』

・マイルドなミント味
・ノンアルコール
・歯周病予防のための有効成分配合

『Kid’s(医薬部外品)』

・5歳頃から使える子ども用
・ぶどう味/いちご味
・ノンアルコール
・コーティング成分と殺菌成分で虫歯予防の補助に

『Jr.(医薬部外品)』

・小中学生用
・グレープミックス味
・ノンアルコール
・コーティング成分と殺菌成分で虫歯予防の補助に