2017年11月26日
一般歯科

歯磨きの仕方

歯磨きの仕方

幼いころからのしつけなどで毎日の歯磨きはもう習慣になっている、という方が多いのではないでしょうか。口内を清潔に保ち、虫歯の一番の予防法とも言える歯磨きですが、実は正しい歯磨きの仕方をご存知の方は案外少ないものなのです。

正しい歯磨きの仕方をしていなければ、口中のプラークをしっかりと除去することはできません。また、磨きすぎてしまうことによっても、歯肉を痛めてしまう結果に。今回は、正しい歯磨きの仕方、そして歯ブラシ以外の有効な口内洗浄道具を見ていきましょう。

正しい歯磨きの仕方

朝昼晩と歯磨きをする機会は訪れますが、正しい歯磨きの仕方とはどのようなものになるのでしょうか。勘違いしがちな点や、正しい歯磨きのためのポイントなど紹介していきます。

基本の磨き方

まずは基本となる歯磨きの仕方を見ておきましょう。歯ブラシはペンを持つように持ち、歯に対して歯ブラシの毛先が直角になるように当てます。そして1本1本小刻みに磨いていきます。

歯の表面以外にも、歯と歯茎の境目を磨くことも重要。歯ブラシの角度を変えながらしっかりと磨ける角度に調節してください。

歯磨き粉をつけすぎていないか

一番勘違いをしやすいポイントと言えます。昨今では歯磨き粉にもさまざまな種類があり、味や香りの他にも、「ステイン除去」に特化したもの、「知覚過敏予防」に特化したものなどもありますね。

もちろん、求める効果によって歯磨き粉を選ぶことは大切なことです。しかし、問題は歯ブラシにつける歯磨き粉の量。

歯磨き粉をたくさんつければつけるほどいいと感じていませんか?また、歯磨き粉のCMなどを見ていると、ブラシ部分一杯につけている場面なども見かけますよね。実はあの量では多すぎてきちんと歯磨きができない結果になるのです。

特にステイン除去をうたった歯磨き粉などには「研磨剤」が多く含まれています。歯磨き粉をつけすぎると、自ら歯を削っていることと同義になってしまうのです。また、歯磨き粉をたっぷりと使って歯磨きをすると、泡がたっぷりと立つことになりますよね。
この泡立ちのせいで、しっかりと磨いている気分になってしまうところも曲者と言えるでしょう。目安の量は小豆粒程度、過剰につけることはやめておく方が無難です。

力を入れすぎていないか

歯磨きの際にどの程度の力加減で磨いているでしょうか?ここでも正しい歯磨きをするための落とし穴があるのです。

忙しい朝などついついごしごしと力を入れて磨いてしまいがちですが、力の入れすぎも正しい歯磨きをするためにはNGとなります。理由は歯ブラシの毛先が倒れてしまうから。

正しい歯磨きの方法として、「歯ブラシの毛先を歯に対して直角にあてる」と紹介しました。歯ブラシの毛先をきちんと歯にあてることで、食べかすや表面の汚れをしっかりと落とすことに繋がるのですが、力を入れすぎてしまうと歯ブラシの毛先は簡単に倒れてしまうことに。

ベストな力加減を知るには、割りばしや指先などに歯ブラシを当てて、少しずつ力を入れていきます。毛先が倒れないぎりぎりのところまで来たら、それこそが歯磨きの際にベストな力加減。

人によっては「こんなに弱い力では磨いた気にならない」と感じるほどかもしれませんね。しかし、効率的に歯を磨くためには、磨く際の力加減にも気を付けてみましょう。

口ではなく歯を確認しながら磨く

歯磨きをする際には、洗面所などですることが多いので、目の前に鏡がありますよね。幼いころなど、確認しながら1本1本磨いていきなさい、と言われた記憶がある方も多いのではないでしょうか。

このことから、鏡で確認をしながら磨いているという方も多いと感じますが、この際本当に「歯を見て」いますか?

周りを見渡してみると、実は歯ではなく口元を見ながら歯磨きをしている方が多いことに気が付くことと思います。人によっては歯を確認するどころか、口を閉じて歯磨きをしている方もいますね。

正しい歯磨きは歯ブラシを小刻みに動かしながら、1本1本歯を確認しながら磨いていくものです。鏡の前で歯磨きをする際には、意識して歯の汚れの状態を確認しながら磨いていきましょう。

プラークが溜まりやすい場所を把握する

人によって歯並びはさまざまになるので、自身の歯のどこにプラーク(歯垢)が付きやすいかという点を把握することも大切になります。しっかりと歯磨き粉の量を守り、歯に対して直角にあて、ベストな力加減を守っていても、表面だけを磨いているのでは意味がありません。

歯と歯の隙間、歯の裏側、人によっては歯と歯の間に段差があることもありますね、こういったでこぼこ部分にこそプラークは溜まりやすくなっています。歯ブラシの毛先などを使って、意識的に磨いていきましょう。

歯ブラシ以外のアイテムもしっかりと活用を

ここまで歯ブラシを使った歯磨きの、見落としがちなポイントや正しい磨き方をご紹介してきました。しかし、口内の清潔を保つには、歯ブラシだけでは届かない場所もあります。ここからは、歯ブラシ以外の便利なアイテムたちを見ていきましょう。

フロス(糸ようじ)

特に加齢によって歯の間に隙間ができてしまった場合など、歯と歯の間のプラークは歯ブラシだけでは除去することができません。毛先が入り込むだけの余地がなかったり、毛先が倒れてしまうなどの状態になってしまうのですね。

そのため、歯の間もしっかりと汚れを除去できる「フロス」の併用がおすすめになります。フロスを使いプラークをかき出すことで、より口内の衛生度を保つことができます。歯ブラシだけ、フロスだけという使い方よりも、同時に使用することによる相乗効果を狙いましょう。

マウスウォッシュ(洗口液)

フロスとは違いさまざまな種類があることが特徴の一つとなります。歯磨き前に使うものから歯磨き後に使うもの、商品によって使用用途が違うので、しっかりと説明書を読んで活用していきましょう。

歯磨き前に用いるタイプは基本的に「液体歯磨き」となり、歯の汚れを浮かしブラッシングの効果を上げる目的があります。また、液体歯磨きには研磨剤が含まれていないという大きな特徴があります。

歯磨き粉の研磨剤が気になる方などは、液体歯磨きを活用することも視野に入れてみていいのではないでしょうか。

また、歯磨き後に使う洗口液は、基本的に口内の殺菌を目的とします。歯磨きだけでは除去しきれない歯周病菌などを流してしまうという役割ですね。使用後は水などでのうがいをしない方が口内の殺菌作用を継続させることができます。

舌ブラシ

舌の表面が白くなっていることが気になる。こんな方にお勧めしたいアイテムですね。この白い物体は「舌苔」と呼ばれるもので、食べかすや口腔内の皮膚片、雑菌の塊だと言われています。

見た目もよくありませんし、口臭の原因にもなってしまうので、エチケットが気になるというのならば早めの対処を済ませてしまいましょう。歯磨きの際に歯ブラシで一緒に舌を磨くという方もおられますが、繊細な器官である舌のお手入れではあまりお勧めできません。

専用の舌ブラシを使って、優しく一方向に向かって磨いてあげるのがベスト。往復する磨き方をしてしまうと、不必要に舌を傷つけてしまいかねません。あくまで優しく同じ方向に向かって磨いてあげましょう。

なお、舌を磨く際には歯磨き粉を付ける必要もありません。歯磨き粉には多くの場合研磨剤が含まれているので、やはり舌を不必要に傷つけてしまう可能性があります。ブラシに水を含ませる程度で十分。また、頻度は週に1度程度が目安になります。