2018年01月27日
一般歯科

歯磨き粉の種類

歯磨き粉の種類

毎日の歯磨きの際に、何気なく使っているという方も多いであろう歯磨き粉。しかし、何気なく使っているからこそ、歯磨き粉の種類や効果を詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

毎日、しかも口の中に直接入れるものだからこそ、安全性や効果について詳しく知っておくことはとても大切なことです。今回の記事では、歯磨き粉の種類や効果、症状別におすすめの成分など紹介していきます。

歯磨き粉は3種類に分かれる

一般的に歯磨き粉といえば、ペースト状のチューブに入ったものを思いつく方が多いと感じます。この歯磨き粉、実は「化粧品」「医薬品」「医薬部外品」の3種類に分けることができます。

それぞれどのような違いがあるのか、特徴などここから詳しく見ていきましょう。

化粧品の歯磨き粉

一般的な歯磨き粉のことといえる化粧品の歯磨き粉。基本成分が発泡剤や研磨剤、香味料などからできています。価格も比較的に安価なものが多くなり、購入しやすい歯磨き粉ということがいえます。

医薬品の歯磨き粉

一言で医薬品といっても、1類、2類、3類と種類があります。それぞれ薬機法(医薬品医療機器等法)により取り扱いのレベルが異なります。

1類は薬剤師のみが取り扱うことができ、書面による情報提供をしなければいけない義務があります。厳密には異なりますが、簡単に言えば「処方箋」がなければ扱うことができない製品だと考えればわかりやすいのではないでしょうか。

2類は書面の必要性は義務ではありません。しかし、できるだけ書面による説明があった方が望ましいとされている製品です。取り扱いの際の資格も、薬剤師以外に登録販売者でも扱うことができるようになっています。

最後に3類の説明をしていきましょう。3類になると書面の必要性はなくなります。取り扱う際の資格も薬剤師以外に登録販売者も可能となり、医薬品の歯磨き粉においてはそのほとんどが3類にあたります。

歯科医院などで取り扱われている、特別に有効成分が多く含まれている歯磨き粉なども、こちらに含まれています。

医薬部外品の歯磨き粉

名前の通り医薬品ではない製品のことを指しますが、化粧品のカテゴリに対して、「虫歯予防」や「歯周病予防」などに有効な成分が含まれているもののことを指します。現在日本で販売されている歯磨き粉は、そのほとんどがこの医薬部外品に含まれています。

ペースト、ジェル、液体など形状による種類も

また、歯磨き粉の形状による種類の分け方もありますね、昨今ではチューブに入れられているペースト状のものがほとんどを占めています。ただし、ジェル状のものや液体歯磨き粉も数こそ少ないですが販売されているので、一度使ってみたらお気に入りになるかもしれません。

そもそも歯磨き粉に期待できる効果とは

昨今では使うのが当たり前のように感じられる歯磨き粉ですが、古くは歯肉を引き締めるためとして、「塩」を使っていたこともあったそう。実際のところ、歯磨き粉を使っての歯磨きにはどのような効果が期待できるのでしょうか?

ここからは、歯磨き粉に期待できる効果や役割を見ていきましょう。

虫歯の予防

歯磨きの目的として一番効果がマッチしているのが、この虫歯予防に対する効果ではないでしょうか。

虫歯予防に効くとして有名な「フッ化物(いわゆるフッ素)」が含まれている歯磨き粉を使うことによって、虫歯の発生そのものや、できてしまった虫歯の進行を抑制する効果が期待できます。

知覚過敏対策

冷たいものを口に含んだ際などに、虫歯もないのにしみてしまう症状ですね。歯磨き粉による知覚過敏の緩和対策は有効になるので、しみて痛いと感じることが多い方は積極的に知覚過敏用の歯磨き粉を使っていきましょう。

成分としては、痛みの伝達を妨げてくれる効果のある「硝酸カリウム」と、象牙質の補強効果が期待できる「乳酸アルミニウム」が有名です。

歯の汚れを落としやすくなる

歯磨き粉には基本的に発泡剤が含まれています。この発泡剤が口の中の隅々まで行きわたることで、歯の汚れを浮かし、落としやすくしてくれるのです。

もちろんきちんと正しいブラッシングをしていれば、歯ブラシだけでも汚れを落とすことはできます。より効率のいい歯磨きを実現してくれるのが歯磨き粉だということになります。

リフレッシュ効果も大きなメリット

また昨今では歯磨き粉にも、いろいろな香りや風味が付けられていますよね。このことから、歯磨きは口中を清潔に保つだけではなく、リフレッシュの効果も期待できます。さまざまな風味漬けをされていることから、人によってはダイエットの際の口寂しさを解消する効果も期待できます。

仕事中や勉強中など、すっきりしたいなと感じたときには、歯磨き粉を使用した歯磨きをしてみてはいかがでしょうか。

歯磨き粉の注意点

ここまで歯磨き粉の種類やそもそもの効果などを見てきました。しかし、どのような物でも同じですが、使い方を誤ったりすれば歯にとって良くない結果を残すこともあります。したがって、ここからは歯磨き粉を使う、選ぶ際の注意点を見ていきましょう。

歯磨き粉はブラッシングのサポート役

上記で歯磨き粉には発泡剤が含まれていることから、より効率的な歯磨きが叶うと紹介しました。しかし、ここで気を付けてほしいのは、歯磨き粉は歯ブラシをする際のサポート役であるということ。

歯磨き粉を使っていれば、それだけで完璧な歯磨きが叶うというわけではありません。逆に歯磨き粉を使いすぎてしまうと、泡がたくさん出ることから、それだけで歯磨きをしっかりとしたような気分になってしまうことがあります。

しかし、歯磨きのメインはあくまでも歯ブラシによる歯や歯肉へのブラッシングによる、プラークの除去です。歯磨きの際には、歯磨き粉はあまりつけすぎないように注意をしましょう。目安は小豆粒1つ程度でOKです。

研磨剤入りの歯磨き粉の使い方

多くの歯磨き粉の成分として使用されている研磨剤。「研磨」という言葉から、歯を削ってしまいそうなイメージを持つ方も多いと感じますが、着色汚れを落としたいと考える方にとっては、なくてはならない成分の一つです。

また、現在の歯磨き粉に使われている研磨剤には「エナメル質を傷つけない物」という規定が施されています。なので、やはり歯の着色汚れが気になる方には有効な成分といえますし、知覚過敏の方にとっては使わない方がいい成分ともいえます。

どのような物にも言えることですが、成分そのものをやみくもに悪いものだと考えるのではなく、自身に合ったものを使用する、選択するということが何よりも大切です。

自分に合った有効成分を含んだ歯磨き粉を選ぶ

上記で研磨剤が入った歯磨き粉に関して紹介したように、自身の歯の状態にあった歯磨き粉を選ぶことが一番大切なことです。虫歯予防がしたいのに、フッ化物が入っていない歯磨き粉を選んでも仕方がないですよね。

また、知覚過敏を緩和したいのに、研磨剤がたくさん含まれた歯磨き粉を使用しても、効果は期待できません。逆にステイン除去のためには研磨剤や有効成分が含まれている歯磨き粉を使うことが有効になるでしょう。

このように、自身の歯の状態によって歯磨き粉を選ぶことがとても大切です。歯磨きは毎日にするものだからこそ、プラスの効果もマイナスの効果も少しずつ積み重なってきます。口内の環境を守るためにも、歯磨き粉の成分にも気を配ってみて下さいね。