2018年03月24日
審美歯科

前歯を綺麗に治したいけど、どのような方法があるの?

前歯を綺麗に治したいけど、どのような方法があるの?

 

口元の印象を大きく左右する前歯。前歯が欠けた…虫歯になってしまった…抜けてしまった…汚れやすき間が気になる…。大切な前歯だから綺麗に治したいですよね。前歯を綺麗に治すにはどのような方法があるのでしょうか?

歯が欠けた・虫歯になってしまったときの方法

どこかにぶつけて前歯が欠けてしまったり、虫歯になってしまったりしたときの方法は、白いプラスチックで埋めるか、白い素材の被せ物を使うかです。比較的軽症で埋める部分が小さいならプラスチックを埋める方法、大き目な穴を補わなければいけないケースや、より美しい外観に修復したいと希望する場合は被せ物での治療が向いています。

白いプラスチックで埋める

欠けた部分や虫歯が比較的小さく軽症のものなら、処置後の穴をコンポジッドレジンという白いプラスチックで埋めるだけでもある程度綺麗に修復されます。型取りの必要がないため治療が短期間で済み、基本的に健康保険が適応されます。

コンポジッドレジンは最初やわらかい素材で、欠けた部分の形に合わせて埋めることができます。その後光を当てると化学反応をおこし、強度のある硬さに変化します。薬剤を混ぜることで硬化するタイプもあります。

〇コンポジッドレジン修復の流れ

欠けた部分の消毒や処置を行い、コンポジッドレジンを直接詰めて修復する

◎コンポジッドレジン修復のメリット

・治療に日数がかからない(状態による)
・金属を使わなくて済む
・健康保険が使えるので比較的費用が抑えられる

△デメリット

・天然歯の部分との色合わせが難しいときがある
・長年使用すると変色の可能性があり、詰め直しが必要なことがある
・やや強度に劣る

白い素材で被せ物をする

欠けた部分や虫歯が大きくなってくると、コンポジッドレジンで埋めるだけでは修復が難しくなってきます。その場合には、白い素材を使った被せ物(冠・クラウン)で全体を覆って修復する方法があります。

前歯に使う被せ物には、芯が金属で硬質レジンやセラミックをメッキした前装冠、全体が硬質レジンやセラミックでできたジャケット冠があります。

金属を芯にして硬質レジンでメッキした前装冠には保険が適応されます。保険外ならメッキ部をより綺麗なセラミックに変えることもできます。金属が芯なので強度がありますが、透明感のない白さになります。レジンは着色がしやすく、長年使用していると黄ばむことがあり、内部に使用されている金属が劣化すると歯肉が黒ずむ原因になる場合があります。

一方、全体がセラミックで作られたオールセラミック冠は透明感のある白さが特徴で、より自然な美しさで修復ができます。表面はツルツルとして汚れがつきにくく、最近は金属に近い強度を持つジルコニアなどのセラミックもあり耐性も良くなっていますが、衝撃によっては割れてしまうことがあります。

〇被せ物治療の流れ

・虫歯などの処置の後で型取りをする
・歯科技工所で型に合わせた被せ物を作成する
・欠けた部分に被せ物をしっかりと合着する

◎金属を芯にした被せ物のメリット

・強度がある
・全体の形を整えられる
・硬質レジンメッキは健康保険適応

△デメリット

・中には金属を使うため、長年の使用で歯肉が黒ずむ場合がある
・透明感がない白さになる
・歯肉が下がると金属部分が見えることがある

◎オールセラミックの被せ物のメリット

・天然歯に近い透明感があり美しい
・汚れがつきづらい

△デメリット

・強い衝撃がかかると割れることがある
・歯を削る部分が比較的多めになる
・健康保険適応外

歯が抜けてしまったときの方法

虫歯や歯周病がひどく歯を抜かなければいけなくなったり、損傷が大きくて根っこが残せなくなったりした場合に修復する方法は、インプラント、ブリッジ、部分入れ歯のいずれかになります。

インプラント

健康保険は適応されませんが、抜けた前歯を一番綺麗に治せる方法としてはインプラントがあります。インプラントは人工歯根を直接骨に埋め込んだ上に人工歯をつけるので、周囲の歯を支えにする必要がありません。人工歯根には骨と接合しやすい純チタンを使用するため安定性が高く、機能的にも天然歯に近い状態に修復ができます。また、人工歯にはセラミックが使用され、見た目にも優れます。

〇インプラント治療の流れ

抜けた歯の歯肉を切開し、人工歯根を埋め込む
その後人工歯根が定着するまで数か月待つ
骨と人工歯根が接合したら上部の部品と人工歯を取り付ける

◎インプラント治療のメリット

・根っこの部分から修復することができる
・外観や機能が天然歯に近い
・セラミック素材は劣化しづらく美しい状態が保てる

△デメリット

・外科手術が必要
・骨や歯肉の状態・体質によって適応できないケースもある
・治療期間が長い
・自費治療で全体に高額

ブリッジ・部分入れ歯

保険適応内で治療を行うとしたら、硬質レジン前装冠を使用したブリッジです。ブリッジは、抜いた歯の両側の歯にも被せ物をし、それとつなぐ形で抜けた歯の場所に人工歯を固定します。両側の歯を支えにして人工歯の橋を渡すようなイメージになるのでブリッジと呼ばれています。ブリッジで修復できない場合には、金属の部品で他の歯に取り付ける部分入れ歯が選択肢になります。

前歯は白い素材で修復されるのである程度綺麗に治せますが、ブリッジは両側の歯にも被せ物をする必要があり、部分入れ歯は金属の取り付け部品を使います。保険内の素材では透明感の無い白さになります。
より美しい見た目を求める場合は素材にセラミックを選んだり、金属の部品を使わない部分入れ歯を選ぶこともできますが、その際は健康保険が適応されません。

〇ブリッジ治療の流れ

抜けた歯の両側の歯を被せ物がしやすいように少し削る
その状態で型取りをし、歯科技工所でブリッジを作成する
完成したブリッジを両側の歯に被せてしっかりと固定する

◎ブリッジ治療のメリット

固定ができる
強度が高い

△デメリット

両側の歯にも被せ物をするため少し削る必要がある

前歯の形やすき間が気になるときの方法

欠けたり虫歯になったりはしていないけれど、元々の前歯の形で悩んでいたりすき間が開いていてそれを治したい場合には、欠けた場合と同じセラミックでの被せ物をするか、矯正治療をするかの選択になります。

セラミックで被せ物をするなら比較的短い治療期間で済み、ある程度希望の形に整えることができます。ただ、被せ物をするために健康な歯を削る必要があります。

矯正治療は、歯のすき間が開いていたり、歯が重なり合ってガタガタしていたりするのが気になっている人に向いていますが、治療期間が長くかかり、前歯だけの処置では済まず全体に強制器具を取り付けなければいけないのが普通です。前歯のすき間程度なら、痛みが少なく目立たず矯正が行えるマウスピース矯正・部分矯正が適応できるケースも多くなっています。

◎矯正治療のメリット

・根本からの歯並びを綺麗にできる
・全体の並びが整う可能性がある

△デメリット

・治療期間が長い
・前歯だけではなく全体を矯正しなければいけない可能性がある
・健康保険適応外

歯の色や汚れが気になるときの方法

前歯の形ではなく、歯の色や汚れが気になる状態を綺麗に治す方法としては主に2つです。1つ目は、クリーニングやホワイトニングです。歯の汚れが食べ物やヤニによる着色の場合、歯の表面をツルツルに磨く機械を使ったポリッシングなどのクリーニングでかなり綺麗になる可能性があります。

着色が深い部分に及んでいたり、加齢や元の歯質によって歯が黄色っぽく見えているときにはクリーニングだけでは効果が期待できず、薬剤を使ったホワイトニングの治療がすすめられます。ホワイトニングの治療では多くの人が白くなったのを実感することができますが個人差があり、中にはホワイトニングの効果が得られないタイプの黄ばみや黒ずみがあります。そのようなケースでは、白い素材を使った被せ物治療が選択肢となります。