2017年07月04日
審美歯科

ホワイトニングのメカニズム

ホワイトニングのメカニズム

白い歯になりたいと希望する人は多く、歯科医院でのホワイトニング治療も急速に需要が増えています。

歯磨き粉の中にも美白ケアのできるものがありますが、歯科医院でのホワイトニング治療は、そのようなものとはメカニズムが大きく異なります。

ホワイトニングは薬剤による歯の漂白

歯科医院で行うホワイトニング治療は、かつては「ブリーチング」と呼ばれていました。ブリーチと言えばパッと思いつくのが髪のブリーチですよね。黒髪の色素を抜き、別の色素を入れこむことで様々な髪色が楽しめる方法です。

歯のホワイトニングも、薬剤によってその色素を漂白する方法です。ただし、ホワイトニングで使う薬剤は歯科専用の安全性の高いもので、髪のブリーチ剤や食器用漂白剤とは全くの別ものです。かつて「漂白」という表現に誤解を受け、市販の塩素系漂白剤を歯にぬって病院に搬送された人のニュースもありましたが、それは命にも関わる超危険行為ですので絶対に止めましょう。

歯科医院のホワイトニング治療で使う薬剤は、過酸化水素か過酸化尿素を安全な濃度に薄めたものが主な成分です。どちらも、酸素が歯の色素と反応をおこし、色素の成分が分解されるメカニズムになっています。

薬剤はエナメル質内部に入り込んだ色素にもアプローチできるので、表面についた汚れを綺麗にするだけではなく、歯そのものの色の明度を上げることが可能です。

オフィスホワイトニングとホームホワイトニング

ホワイトニング用の薬剤にも色々な種類はありますが、過酸化水素か過酸化尿素を安全な濃度に薄めたものがメインというのは同じです。濃度が違っていたり、2つが混じっていたり、歯をコーティングする働きのあるポリリン酸ナトリウムなどが加わっていたりのバリエーションにより、効果の出方も少し異なります。

濃度にもよりますが、基本的には過酸化水素の方が作用が強く、過酸化尿素の方がマイルドです。そのため、歯科医院でスピーディに行うオフィスホワイトニングでは過酸化水素が、自宅で時間をかけてじっくり行うホームホワイトニングには過酸化尿素をメインに使うのが一般的です。

歯科医院で集中的に行うオフィスホワイトニングは、薬剤をぬった後に特殊な光をあて、酸素と歯の色素の反応を促進させます。あてる光はレーザー、LEDなどがあり、薬剤と光の組み合わせによって目指せる白さやスピードは異なりますが、1回~数回の施術である程度の効果を実感できる人が多いようです。

一方ホームホワイトニングは、自分の歯型に合わせたマウスピースの中に薬剤を入れ、食後の夜間~就寝中の時間などを利用して薬剤を浸透させます。それを毎日行い、通常は2週間ごろから効果が見え始め、4週間程度で終了しますが、それも薬剤や歯の状態によって異なります。

クリーニングとの違いは?

歯科医院で行うクリーニングでは、毎日の歯磨きでは落とせないレベルの汚れも綺麗にできますが、あくまでも歯の表面についた汚れに対しての効果です。一方ホワイトニングは、歯の色そのものを根本から白くできる方法です。

表面の汚れが原因で歯がくすんで見えているだけなら、クリーニングだけでもだいぶ白くなれる人もいます。しかし、生まれ持った歯の色が黄色っぽい人や、年齢によって黄色くなった歯の人などには、ホワイトニング治療の方が向いています。ただ、ホワイトニング治療もすべての変色に対応できるわけではないので、まずは歯の変色の原因を歯科医院でチェックし、それぞれに合った方法を選択することが重要です。