2017年03月09日
インプラント

インプラントの基本的な構造とは

インプラントの基本的な構造とは

基本的にはフィクスチャー、アバットメント、上部構造補綴物(じょうぶこうぞうほてつぶつ)の3つの部位で構成します。
フィクスチャーとは土台になるネジ状の部品で、顎の骨に埋め込み固定。天然の歯の歯根にあたります。ものを実際に噛む部分に相当するのが上部構造補綴物です。これは天然の歯と同等の強度があるだけでなく審美性にも優れており、腕のよい医者が作ったものであれば、天然の歯と見分けることが困難になります。
アバットメントはフィスクチャーと上部構造補綴物を連結させる部品です。フィスクチャーの上部に取り付けられます。

フィクスチャー

インプラント体、人工歯根とも呼ばれることもあります。骨と適合しやすい純チタンやチタン合金で作られていることが多く、表面にはブラスト処理、酸処理、酸化処理、機械研磨処理などが施されています。
基本的には厚生労働省が認可した部品を使用されますが、患者の同意があれば歯科医師の責任のもと、認可されていない外国産を使うこともできます。

アバットメント

既製品だけでなく、個人に合わせて製作したカスタムアバットメントを使用することも可能です。口腔内の状態によっては、暫定的にヒーリングアバットメントを取り付け、最終的に通常のアバットメントに付け換えます。

上部構造補綴物

アバットメントの上部にセメントやネジにより固定。素材はセラミックや金属など様々です。口腔内の状態によっては上部構造補綴物を設置する前に、一定の期間プロビジョナルレストレーションと呼ばれる仮の歯が設置されます。こちらは暫定的な処置のため、比較的外しやすいネジやセメントで固定。この間、噛み合わせや粘膜との関係などを確認し、最終的な上部構造補綴物作成の参考にします。

その他の部品

カバースクリュー…手術を2回に分けて行う場合に使用。埋め込んだフィクスチャーに歯茎や骨が入らせないためのふたの役割を果たし、最終的には取り除かれます。

ヒーリングキャップ…アバットメントの汚れや傷を防ぐキャップ。アバットメントを設置してから、上部構造補綴物やプロビジョナルレストレーションを取り付けるまで期間が空く場合に使用されます。

インプラントの種類は国内だけで30種類以上

基本的には共通の規格は存在せず、他社製品との組み合わせは、まず使えないと考えていた方がよいでしょう。医院により取り扱う部品は異なりますので、突然の閉院や引っ越しなどのアクシデントに備えて、自身のインプラントに使われている部品の種類は知っておかなければなりません。
たとえ治療が終わっていたとしてもメンテナンスの際に困る場合もあるので注意です。