2017年07月16日
審美歯科

白い詰め物の種類って何があるの?

白い詰め物の種類って何があるの?

むし歯の治療などで削った部分を埋める歯の詰め物。保険の範囲内では銀色の詰め物になる場合が多く、その見た目を気にする人も多くなっています。

そんなときに人気のあるのは白い詰め物。白い詰め物なら口を開けても目立つ心配がありません。

ですが、一口に「白い詰め物」と言っても種類があり、それぞれに特徴があります。白い詰め物の種類には何があるのでしょうか?

白い詰め物の素材はプラスチックかセラミック

歯科治療の詰め物で使用できる白い素材と言えば、レジンという成型ができるプラスチックか、陶器のような硬いセラミックです。この2つの素材に加え、レジンとセラミックを混ぜ合わせたハイブリッドセラミックという中間のものがあり、大きくはその3種類に分かれます。

レジン(プラスチック)の特徴

レジンは、熱や化学処理によって簡単にやわらかくすることができ、治療日当日に穴を埋めることも可能です。現在主流のコンポジットレジンは昔のものに比べると強度があり、本詰め物として使用できるようになりました。

コンポジットレジンの詰め物は、基本的にはどの歯に使っても保険が適応されますが、同じレジンでも品質の違いがあり、中には保険適応外のレジンを扱っている歯科医院も見られます。

メリット

・詰めるのが簡単
・削る範囲が少なくてすむ
・基本は保険が適応される

デメリット

・金属に比べると弱いので、症例によって向かないケースもある
・セラミックに比べると着色汚れがつきやすい

セラミックの特徴

プラスチックのレジンに対し、セラミックは食器に使われている陶器を丈夫にしたような素材です。表面がツルツルとして汚れがつきにくく、天然歯のようなツヤがあって見た目がとても綺麗です。セラミックを使った詰め物はどれも保険は適応されず、すべてが自費となります。

セラミックの中にも種類があり、人工ダイヤモンドと呼ばれる強度を持つジルコニアや、適度なやわらかさを加えた e-maxなど、使う場所や患者さんの希望に応じて複数のセラミックを扱っている場合もあります。

セラミックが白すぎると天然歯の部分とのバランスが悪くなるケースもありますが、最近はより天然歯に近い色合いで加工したものがあり、様々な色の歯の人に適応しやすくなっています。外から見る分には治療してある歯には見えず、レジンのような着色もほとんどせず、美しい状態を保つことができます。

メリット

・レジンより強度が高い
・表面がツルツルして汚れがつきにくい
・天然歯に近い材質で見た目が美しい
・2次むし歯のリスクが他よりは低い

デメリット

・全額自費になるので予算がかかる
・レジンに比べ削る部分が少し大きくなる
・衝撃が加わると割れることがある
・素材や部位によっては噛み合う相手の歯をすり減らすことがある

ハイブリッドレジンの特徴

レジンとセラミックの合いの子のような存在がハイブリッドレジンです。基本の構成はレジンですが、セラミックの粒子を中に混ぜ込むことで強度を高く調整してあります。そのため、レジンよりは丈夫で汚れがつきにくいものの、セラミックに比べれば強度や美しさが劣るという中間の立ち位置となっています。

歯の全体を覆う被せ物の場合、保険適応内でハイブリッドレジンが使える部位がありますが、詰め物の場合はどの歯も全額自費になります。

状態によって向いている素材が異なる

削った部位の大きさや場所や状態によって、向いている素材は異なります。選択するときは歯科医師とよく相談し、メリットやデメリットをよく聞いて検討をしましょう。