2017年08月16日
一般歯科

歯ぎしりの自覚はありますか?

歯ぎしりの自覚はありますか?

多くが睡眠中に行われる歯ぎしり。そのため、「自分は歯ぎしりなんてしていない」と思っている人も多いのですが、実はほとんどの人が歯ぎしりをしているという研究結果もあるのです。

歯ぎしりは必ず悪いものではない?

一般的に歯ぎしりというと「一緒に寝ている人の睡眠を妨げるほど大きな音がでるもの」と思われがちですが、実際には様々なタイプの歯ぎしりがあります。軽い歯ぎしりは、日中にかかった口や顎の筋肉の緊張を解いたり、精神的なストレスを発散したりする役割があると考えられており、軽いものなら問題はありません。

けれど、大きな音が鳴るレベルとなると、他人への迷惑だけではなく、歯や歯周組織にダメージを与え、口内の健康に影響が及ぶ恐れが指摘されています。

また、音の鳴らない歯ぎしりであっても、歯をほとんどすり合わせずに奥歯を強く噛みあういわゆる「喰いしばり」が見られる場合、音の鳴る歯ぎしり同様の様々な悪影響の可能性があると考えられています。

歯ぎしりや喰いしばりをチェックするポイント

大きな音のする歯ぎしりの場合、同居している人がいれば指摘をされ、自分の歯ぎしりを自覚するケースが多いようです。けれど、同居している人の眠りが深ければ気づかれることは無く、音の無い喰いしばりとなるとなおさら自覚は難しくなります。自分に歯ぎしりや喰いしばりの問題があるかどうかをチェックするためにどうしたらいいのでしょうか?そのチェックポイントをご紹介します。

朝起きたときの顎の状態は?

夜間に強い歯ぎしりや喰いしばりがあると、朝起きたときに顎周りの筋肉や顎の関節付近がダルい、痛い、やけに疲れていると感じることがあります。

犬歯が平らになっている

慢性的に強い歯ぎしりや喰いしばりの続いている人は、犬歯(前から3番目の八重歯・糸切歯)の尖りが失われ、先がすり減って平らになっていることがあります。

奥歯の高さが減ってきている

年齢とともに歯は少しずつすり減りますが、明らかに奥歯が低くなっているように感じたら、強い歯ぎしりや喰いしばりが原因かもしれません。

歯の根元にヘコミがある

歯肉から見えている歯の根元の部分に浅くV字型に切り込んだようなヘコミ(楔状欠損・けつじょうけっそん)が見られることがありますが、これも歯ぎしりや喰いしばりの習慣がある人に見られやすい特徴です。

歯科医院でのチェック

自分自身で歯ぎしりをチェックするのはなかなか難しいですが、気になるときには歯科医院でチェックしてもらいましょう。他の治療の際に歯の状態を見て、歯科医の方から指摘される場合もあります。

歯に亀裂が走っていたり、詰め物や被せ物が外れやすかったり、すり減りの度合いが早いなどの症状が見られたとき、歯ぎしりや喰いしばりが原因の1つと考えられます。

また、本格的に夜間の歯ぎしりをチェックする方法としては、ブラックスチェッカーという方法があります。患者さんの歯型に合わせて色のついた極薄のマウスピースをつくり、2枚のマウスピースを2日ずつ計4日間就寝中に使い、使用後のマウスピースを歯科医院でチェックします。

マウスピースの破損具合によって、どの程度の力がどの部分の歯にかかっているかがわかります。夜間の歯ぎしりや喰いしばりの有無を確実に知ることができる検査方法ですが、保険適応外の検査となるため、どの歯科医院でも行っているわけではなく、歯ぎしり治療に力を入れている歯科医院でよく採用されているようです。